研究課題/領域番号 |
21K06165
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
澁谷 浩司 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30261324)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | WNK / Wntシグナル / HSANII / WNK/HSN2 / GSK3β / E3 ligase / β-catenin / WNK1 / HSN2 / Maea. S / β-カテニン / 頭部形成 / ユビキチン化 / 神経分化 / LHX8 / GID complex |
研究開始時の研究の概要 |
我々は高血圧症PHAII原因遺伝子WNKの解析から生体内においてWNK→SPAK/OSR1→共輸送体というシグナル伝達経路が腎臓における血圧調整に関与することを示した。一方、WNK1は遺伝性知覚ニューロパチー(HSANII)の原因遺伝子でもあり、我々はWNK1シグナルがLhx8遺伝子の発現を介して神経分化に関わることを明らかにしている。最近、WNKの新たな機能として、β-cateninの分解制御に関わることを明らかにした。本研究ではWNKによるWntシグナル制御について、さらなる解析を進め、神経発生におけるWNKシグナルの機能解明とWntシグナルにおけるWNKの新たな役割を解明する。
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研究成果の概要 |
WNKの神経系における機能を解明するため、WNKによるWntシグナル制御機構の解析を進め、WNK/HSN2シグナルにおいてGSK3βや転写因子Lhx8との関係や、HSANII患者で報告されているHSN2変異体を用いた解析から神経分化における役割を詳細に明らかにし、これらのシグナル系によるHSANII発症機構を明らかにした。また、XenopusのE3 ligaseであるMaea.Sによるβ-カテニン分解制御について解析を進め、canonical Wntシグナル伝達の新たな抑制機構、それに関連する胚発生機構を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでHSANII原因遺伝子WNKによる、その発症分子機構は全く知られていなかった。本研究により、HSANII患者で報告されているHSN2変異体を用いた解析からWNK/HSN2シグナルにおけるGSK3βや転写因子Lhx8の神経分化における役割を明らかにすることができた。この発見は、なぜWNK/HSN2変異がHSANII発症を引き起こすのか、その分子機構を示すものである。一方で、Xenopusを用いた胚発生機構の研究からWntシグナルに対するWNKとそのE3 ligaseの関係を明らかした。これら本研究成果はWNK分子の多様な疾患に対する役割を示す非常に有用な知見となると考えられた。
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