研究課題/領域番号 |
21K06207
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
藤田 生水 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 客員研究員 (80615138)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 神経発生 / 大脳皮質 / 神経幹細胞 / 放射状グリア / 細胞間接着 / 細胞分裂 / 大脳皮質発生 / 細胞系譜 / 生組織イメージング / Radial glia / 大脳新皮質 / OSVZ / 接着結合 / 脳発生 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類の大脳皮質発生において,神経幹細胞が発生時期に応じて上皮構造の再生能を変化させることで組織の基本構造たる幹細胞の配置を転換させる現象に注目し,その背後にある細胞の集団的振舞いと細胞形態変化の統合的理解を目指す。そのために,生組織イメージング等によって得られる幹細胞/前駆細胞の分裂,形態変化と移動,分化に関する定量値をもとに,細胞集団の動的な変化を再現する数理モデルを構築する。それらと生体モデルとの比較・検証実験を通して,細胞分裂パターンと細胞形態変化が共役的に大脳皮質構造の秩序を構築する過程を明らかにする。
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研究成果の概要 |
頂端面における細胞間接着のダイナミクスの定量化のため,効率的な細胞セグメンテーションと細胞系譜トラッキングを可能とする解析プラットフォームを共同研究により構築した。神経産生期における頂端面の神経幹細胞ダイナミクスを解析し,一定時間・一定区画に存在する全細胞の頂端面の形態や細胞間接着関係,及び細胞系譜についての定量的データを取得した。共同研究により,得られた定量データを時間発展ネットワークとして解析し,神経幹細胞のふるまいが近傍の細胞の分裂や分化に及ぼす影響について解析した。神経幹細胞の全長にわたる形態のダイナミクスを追跡するため,細胞膜や細胞質を多様に標識するシステムを構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,哺乳類の大脳新皮質発生の根幹をなす,神経幹細胞のダイナミクスを定量的に解析する基盤を提供した。本研究におけるマウスを用いた解析では,神経幹細胞間で振る舞いに協調性が見られず,自律的かつ典型的な振る舞いの集合であることが示唆された。比較的シンプルな構造であるマウスの大脳皮質と比較し,ヒト大脳皮質はより大きく複雑な構造を形作る。本研究をさらに発展させ,ヒト組織における神経幹細胞の振る舞いの協調性やランダム性を明らかにすることで,ヒト大脳皮質発生の理解に貢献することが期待される。
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