研究課題/領域番号 |
21K06234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
武田 征士 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (90508053)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 虫こぶ / ヨモギ / タマバエ / 維管束 / X線マイクロCT / リグニン / 葉 / 茎 / 維管束パターン / マイクロCTスキャン / AiAGAMOUS / オオヨモギ / MADS |
研究開始時の研究の概要 |
虫こぶは,虫こぶ形成昆虫がホスト植物に作る,食糧と住まいを兼ねた特殊な組織・器官である.トランスクリプトーム解析から,虫こぶでは光合成をする葉などのソース器官から,花や実の性質をもつシンク器官への転換が起こっていることが示唆されてきた.昆虫によって引き出される,植物の潜在的な器官形成機構を理解するために,虫こぶ形態形成の主要因子だと考えられるMADS遺伝子の機能と発現制御機構,および虫こぶとホスト植物組織を連絡する維管束パターンの確立機構を明らかにする.研究材料は,入手が容易であり,近縁種のゲノム情報や培養手法が利用可能な,草本ホスト植物であるキク科・オオヨモギの虫こぶを用いる.
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研究成果の概要 |
本研究では、ヨモギ虫こぶの形態解析、器官形成遺伝子のクローニング、形成昆虫の系統解析を行った。葉と茎に作られる虫こぶについて、組織切片とリグニン染色、及びX線マイクロCTイメージングを行い、虫こぶとホスト植物維管束のつながりと、虫こぶ内の空間的な維管束パターンを明らかにした。虫こぶRNA-sequencingで得られた配列情報を元に、器官形成に関わる5遺伝子をクローニングした。虫こぶより羽化したタマバエについてミトコンドリアCOI配列シーケンスによる系統解析を行い、虫こぶごとに違う種のタマバエであることを示した。虫こぶの腺毛に抗酸化作用があることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
虫こぶは、虫こぶ形成昆虫が植物に作る特殊な組織で、昆虫が植物の発生システムをうまく利用して、住まいと食料源を兼ねた構造になっている。ヨモギには複数の異なる虫こぶができることから、同一ホスト植物内での虫こぶの多様性・共通基盤が解明できる。また、多くの虫こぶは木本植物に作られることから、ヨモギは草本植物のモデル系として適している。本研究により、虫こぶによって異なる維管束パターンがあること、近縁別種のタマバエが全く異なる虫こぶ形態を作っていることが分かり、昆虫の能力の奥深さを改めて示した。また、ヨモギ虫こぶに抗酸化作用があることが分かり、物質生産の場としても有効であることが示唆される。
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