研究課題/領域番号 |
21K06308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
内貴 章世 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (30393200)
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研究分担者 |
東馬 哲雄 (大井哲雄) 岡山理科大学, 自然フィールドワークセンター, 准教授 (10376527)
齊藤 由紀子 琉球大学, 教育学部, 准教授 (30626106)
天野 正晴 一般財団法人沖縄美ら島財団(総合研究センター), 総合研究センター 植物研究室, 主任研究員 (60897164)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 植物分類学 / 分子系統解析 / 雑種 / 訪花昆虫 / 分類学 / 系統樹 / 種分化 / 系統解析 / 系統分類学 / 隔離分布 / マチン科 / 集団遺伝学 |
研究開始時の研究の概要 |
マチン科ホウライカズラ属(Gardneria)は、ヒマラヤ地域から東南・東アジアにかけて5~8種が分布する小さな属であるが、種分類について見解の相違が著しい。本研究では、花形態の詳細な比較と全種を用いた分子系統学的解析によって、まずタイワンチトセカズラ(G. shimadae)とリュウキュウホウライカズラ(G. liukiuensis)、G. insularisが形態的・系統的に識別できる分類群であるかを検討する。また、集団遺伝学的解析や繁殖様式を明らかにすることで、台湾・琉球列島・対馬・済州島に至る東シナ海辺縁の島嶼において、集団が隔離されることによる特異な地理的分化を評価する。
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研究成果の概要 |
マチン科ホウライカズラ属はヒマラヤから東アジアに分布するが、種の分類に異論がある。本研究では葉緑体DNAと核DNAの塩基配列およびMIG-seq解析を用いて系統樹を作成し、形態観察と併せて日本の本属の分類学的再検討を行った。その結果、ホウライカズラ、チトセカズラ、リュウキュウホウライカズラの3群を認識した。リュウキュウホウライカズラはタイプ産地以外の個体が新分類群である可能性が示された。また、ホウライカズラとチトセカズラの交雑個体が中国地方に見られた。訪花昆虫の調査ではアザミウマが多く、ハナバチが少なく、結実の低さからアザミウマは主要な送粉者ではない可能性が示唆され、さらなる観察が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ホウライカズラ属の種分類について、特に分類学的見解の相違が著しい琉球列島や台湾の種について形態を再評価し、本属としては初めてとなる分子系統解析を行うことで新たな分類体系を構築した。特に、これまでリュウキュウホウライカズラとされていた種には複数の種群が含まれていることを明らかにし、今後行政等が保全を行うべき対象を明確にすることもできた。また、予備的な訪花昆虫の調査によって、有効な花粉媒介者の訪花頻度の小ささが結実率の低さに繋がっている可能性を示すことができ、今後の保全策策定の一助となることが期待される。
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