研究課題/領域番号 |
21K06318
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
高橋 一男 神奈川大学, 理学部, 教授 (10450199)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 翅干渉色 / ハイパースペクトル画像 / スペクトローム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
小さな昆虫の持つ、透明で薄い翅は、暗い背景で観察すると非常に鮮やかな薄膜干渉による構造色を発色する事が知られており、WIPs(Wing Interference Patterns)と呼ばれている。WIPsは幅広い微小昆虫で報告され、それまで見落とされてきた重要な表現型である可能性が示唆された後も、適切な定量評価法は確立されていない。本研究では、数十種類に分光された波長の輝度情報を持つハイパースペクトル画像をWIPsの解析に適用する事で、WIPsの分光特性の総体としてのスペクトロームの解析法を開発し、WIPsの性差、種間差、発育環境差を評価し、種判別技術を開発する。
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研究成果の概要 |
小さな昆虫の透明な翅で発色する構造色であるWIPsの定量化法を確立し、微小昆虫のWIPsの変異とその生態学的意義を解明することを目的として研究を行った。令和3年度には、12種のショウジョウバエのWIPsの定量評価や、幼虫の発育環境条件が成虫のWIPsに与える影響を評価した。令和4年度には、ショウジョウバエを用いた研究を継続しつつ、訪花性昆虫のWIPsの定量評価を行った。令和5年度には、近縁な4種のショウジョウバエとそのF1雑種のWIPsを評価し、遺伝形式の違いを明らかにした。さらに、可視光-UV撮影システムを構築し、昆虫や鳥類の視覚を用いてWIPsを評価する方法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で確立した、ハイパースペクトル画像解析による昆虫のWIPs解析の試みは世界初である。本研究をベースとして、幅広い昆虫群において、人間の知覚の限界を超えたWIPsのスペクトローム解析が可能となる事が期待できる。また、WIPsに基づいた性判定や種判別が可能となったことに加えて、WIPsが幼虫期の発育環境を反映する可能性も示唆されたため、成虫のWIPsの解析により、幼虫期の発育環境の推定も可能となるかも知れない。さらに、本研究の成果は、WIPsの進化や発生・遺伝基盤の解明にもつながる可能性があり、様々な研究分野に波及効果を及ぼす事が期待される。
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