研究課題/領域番号 |
21K06328
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
長野 由梨子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋生物環境影響研究センター), 研究員 (30512917)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 深海生菌類 / 沈木 / Oceanitis / Ceriosporopsis / Halosphaeriaceae / 菌類多様性 / 海生菌類 / 深海 / 真菌類 / 生理活性物質 / アンプリコン解析 / 海洋プラスチックゴミ / 相模湾 / 菌類 / 海生菌 / 木材分解 |
研究開始時の研究の概要 |
深海環境に特殊に適応進化したと考えられている偏性深海生菌類は、世界でも6種が知られているのみで、全く研究が進んでいない。そこで、本研究ではどのような環境(海域、深度、 基質、樹種など)にどのような深海生菌類が生息しているのか、どのように深海環境に適応していったのか、点在する沈木から沈木へどのように分散・定着しているのか、その進化系統や生態について解明を進める。
|
研究成果の概要 |
相模湾や東京湾,房総半島沖の深海平原など,水深約750mー5700mの深海底から植物片を回収し、直接観察、培養法、環境DNA法などにより真菌類多様性の調査を行った。 本研究により,深海底に沈む植物基質中には予想以上に深海生菌類が高頻度で存在していること,特定の科が優占していること,これまでに発見されていない種も存在していること,樹種特異性はあまりみられないこと,海域により分布の違いがありそうなことなどが明らかとなった.また深海環境中における植物由来有機物の分解には、Oceanitis属やCeriosporopsis属といった深海生菌類が貢献していることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでにほとんど調査がなされていなかった深海底に沈む植物片をニッチとした深海生菌類の多様性やその分布の一端を明らかにした本研究は、国内外を通しても非常にユニークな研究であると言える。有機物の少ない深海において、難分解性物質は貴重なエネルギー源であり、そこをニッチとして適応進化している深海生菌類を研究する事によって、深海における菌類の真の多様性、海洋環境中における菌類の適応・進化プロセスを明らかにし、これまでの常識を覆すような新奇性をもった真菌群の発見、さらには深海生菌類が産生する生理活性物質の探索、産業利用が可能な新規セルラーゼやプラスチック分解酵 素等の探索へと展開できる重要な研究である。
|