研究課題/領域番号 |
21K06426
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
小出 哲也 帝京科学大学, 総合教育センター, 教授 (30247837)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ゼブラフィッシュ / 終神経 / 神経ペプチド / 侵害受容 / 化学感覚 / ペプチドニューロン |
研究開始時の研究の概要 |
痛みを伝える侵害受容ニューロンは、個体の生存を脅かす侵害性の脅威刺激に応答して忌避行動等を引き起こす。最近応募者は、ゼブラフィッシュをモデルに、第0脳神経としても知られる「終神経」が二酸化炭素からの忌避行動に必須な侵害受容ニューロンであることを見出した。終神経は、ほぼ全ての脊椎動物の鼻に存在し、神経ペプチドGnRHを発現する。そこで本研究課題では、侵害受容ニューロンとしての終神経の機能を単一細胞レベルで詳細に解析し、その生理的意義を確立することにある。侵害刺激を受容する感覚ニューロンかつ神経ペプチドニューロンとしての終神経の機能を解明し、痛み研究における新たな研究分野を開拓する。
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研究実績の概要 |
本研究では、ゼブラフィッシュ第0脳神経「終神経」の侵害受容ニューロンとしての機能に着目して解析をすすめている。終神経は、ほとんどの脊椎動物の鼻に存在し、神経ペプチドGnRHを発現する。古典的な解釈によるGnRHニューロンは視床下部に位置し生殖関連機能を担うとされているが、視床下部外のGnRHニューロンである終神経が生殖機能をもつことを示唆するデータはほとんどなく、その機能の全貌は依然不明な点が多い。本研究では、侵害受容ニューロンとしての終神経の機能を単一細胞レベルで詳細に解析し、その生理的意義を確立することにある。侵害刺激を受容する感覚ニューロンかつ神経ペプチドニューロンとしての終神経の機能を解明し、痛み研究における新たな侵害受容ニューロンモデルとしての終神経研究分野を開拓することを目的とする。これまで実施した終神経のRNA-seq 解析の結果、、終神経はGnRHだけでなく、カルシトニン遺伝子関連ペプチド (calcitonin gene-related peptide: CGRP)、ニューロペプチドFF(NPFF)、プロラクチン(脳下垂体前葉ホルモンの一種Prolactin: PRL)と複数の神経ペプチドホルモンの発現が示唆される。そこで本研究では、終神経における神経ペプチド(GnRH、CGRP、NPFF、PRL) の mRNA発現パターンの詳細な比較を目的の一つとしている。これら神経ペプチドの受容体についても同様にmRNA発現パターンを調べる。現在、作成済のトランスジェニック系統GnRH3:GFF;UAS:GFP(終神経の軸索にGFPを発現)を指標にすることで、これらのペプチド遺伝子の発現について検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ゼブラフィッシュ飼育環境が整いつつあり、安定したゼブラフィッシュ胚や成魚の供給が可能になってきた。安定したゼブラフィッシュの供給によって、これまでの実験の遅れを取り戻す。現在は、ゼブラフィッシュ胚を用いたペプチドの発現解析が進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、Gal4/UASシステムを用いた神経ペプチド摂動(機能亢進/機能阻害)実験を実施する予定である。すでに作成済のGnRH3:Gal4系統に、現在進行中のUAS:神経ペプチド(GnRH、CGRP、NPFF、PRL)系統を掛け合わせたダブルトランスジェニック系統を作成し、終神経特異的に神経ペプチドを過剰発現可能な系統を得る。機能阻害については、各種神経ペプチド(GnRH、CGRP、NPFF、PRL)に対するアンチセンスオリゴを用いたノックダウン(KD)を先行させて実施する予定である。合わせてノックアウト(KO)フィッシュの作成を準備している。各種神経ペプチド機能亢進/機能阻害フィッシュに対して、二酸化炭素や他の侵害刺激に対する忌避行動の変化を観察し、終神経の侵害受容における各種神経ペプチドの役割の解明を目指す。
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