研究課題/領域番号 |
21K06535
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山口 真二 帝京大学, 薬学部, 教授 (60398740)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | セロトニン受容体 / セロトニン / ニワトリ / 社会行動 / アミグダラ / ニワトリヒナ |
研究開始時の研究の概要 |
セロトニンは、ヒトの社会行動と関連する。しかし、セロトニンがどのような神経機構を調節し、社会性の形成と関わるのか明らかではない。申請者は、社会行動に関わる哺乳類の脳領域と相同な鳥類の脳領域で、セロトニン受容体サブタイプが選択的に発現することを発見した。そこで、セロトニンによるこの脳領域の調節が、鳥類の社会行動の調節に重要な役割を果たすと考えた。本研究では、これらセロトニン受容体のサブタイプに注目し、鳥類の社会行動の基盤となる神経回路を解明する。
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研究成果の概要 |
ニワトリ脳幹でセロトニン受容体サブタイプの発現解析を行った。哺乳類では、セロトニンは背側縫線核(DR)および正中縫線核(MR)を含む中枢神経系のセロトニン作動性ニューロンは、脳幹に空間的にクラスターとして存在し、前脳および中脳全体を上行性に神経支配する。そして、多くの精神状態の調節と中枢神経系の感情の処理に重要な役割を果たす。ニワトリの脳幹縫線核セロトニンニューロンで、セロトニン受容体サブタイプの発現パターンが異なることを示した。このことは、ニワトリの脳幹におけるDRおよびMRのセロトニン神経の間にheterogeneityが存在することを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セロトニンは、脊椎動物と無脊椎動物の種を超えて保存された神経伝達物質である。哺乳類では、セロトニンは本能、情動、認知機能など様々な機能に関与し、特に、社会環境からの刺激による社会行動を調節する。しかし、哺乳類の社会行動の基盤を成す神経機構はよく分かっておらず、自閉症スペクトラム障害などの疾患で、社会性欠如に対する治療法の合理的開発が制限されているのが現状である。鳥類ではセロトニン受容体の複数のサブタイプが存在するが、社会行動に関与するサブタイプは分かっていなかった。本研究により、セロトニン受容体のサブタイプに注目し、鳥類の社会行動の基盤となる神経回路を知る手がかりが得られる可能性がある。
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