研究課題/領域番号 |
21K06556
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 長崎国際大学 |
研究代表者 |
藤田 英明 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (80291524)
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研究分担者 |
上田 亮太 長崎国際大学, 薬学部, 助手 (10881906)
藤井 佑樹 長崎国際大学, 薬学部, 准教授 (80610063)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | チロシナーゼ / メラノーマ / メラノサイト / メラノソーム / リソソーム / タンパク質分解 / ユビキチン / ユビキチンリガーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではチロシナーゼ分解誘導化合物のメラノーマに対する抗腫瘍効果とその分子メカニズムを明らかにし、新規メラノーマ治療薬の創出を目指して研究を行う。我々はこれまで新規美白剤の開発を目的に、メラノサイトにおけるチロシナーゼ分解を誘導する化合物について研究を行ってきた。本研究ではこれらチロシナーゼ分解誘導化合物のメラノーマ治療薬への応用の可能性について検討することを目的とする。このようなメラノーマ治療薬は、その作用機構は従来の治療薬とは異なるため、前述の分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬と併用での相乗効果が期待できる。
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研究実績の概要 |
(1)B16メラノーマを尾静脈から投与後、3種類のチロシナーゼ分解誘導化合物を腹腔内投与することで肺転移を阻害できるかについて検討したが有意差を示す化合物を見つけることができていない。また、マウスにB16メラノーマを皮下移植し腫瘍を形成させ、3種類のチロシナーゼ分解誘導化合物を腹腔内投与することで抗腫瘍効果を評価したが、現在のところ有意差を示す化合物を見つけることができていない。予備的実験では腫瘍に直接化合物を接種することで、腫瘍形成阻害を確認していたが再現性が得られなかった。 (2)チロシナーゼを分解に導く膜結合型ユビキチンリガーゼRNF152の作用分子機構について解析を行なっている。3XFLAG-ユビキチン発現プラスミドを用いることで、感度よくチロシナーゼのユビキチン化を検出で切るようになった。その結果、チロシナーゼユビキチン化にはRNF152の膜結合ドメインを介したチロシナーゼとの相互作用が必須であることを見出した。また、RNF152によりチロシナーゼに付加されるユビキチン鎖タイプ(K48あるいはK63)について検討を行った結果、ユビキチン鎖タイプには特異性がないことが示唆された。さらに、チロシナーゼ同様メラニン合成に関わるメラノソーム膜タンパク質Tyrp-1もRNF152によりユビキチン化されることを見出した。しかしながら、そのユビキチン化効率はチロシナーゼに比べて低い。以上の結果から、RNF152は新規の色素遺伝子であることを提唱していく。 (3)カイコ個体を用いたヒトチロシナーゼおよびヒトTyrp-1の大量発現系を確立できた。アフィニティカラムを用いることで、ある程度精製でき、ヒトチロシナーゼについては活性測定が可能となった。マイクロカロリーメーターを用いた化合物との相互作用測定にはもう少し精製純度を高める必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)マウス腫瘍形成実験については、経験値が不足しているため遅れている。共同研究者による直接指導がコロナ禍及び共同研究者の海外留学等の理由で、できていなかったため。 (2)膜結合型ユビキチンリガーゼRNF152によるチロシナーゼ分解の分子機構を解明できつつあり順調に進展している。RNF152は新規色素遺伝子であると考えている。 (3)ヒトチロシナーゼおよびヒトTyrp-1の発現・精製が概ね順調に進行している。今年度中に学部内にマイクロカロリーメーターを設置予定であり、設置次第化合物との相互作用測定が可能となる。
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今後の研究の推進方策 |
(1)共同研究者が帰国次第、実験手技の問題点について議論する。効果的な対策を検討し、できるだけ速やかに実験を行う。研究継続のため、科研費申請を行う(藤田)。 (2)ほぼ実験は完了しているので、速やかに論文作成と投稿を行う。学位論文も提出予定である(上田)。膜結合型ユビキチンリガーゼRNF152によるチロシナーゼ以外のタンパク質ユビキチン化・分解が複数報告されてきている。今後、発展的にRNF152の機能解析を継続して行うため、科研費申請を行う予定である(上田)。 (3)マイクロカロリーメーターを用いて、ヒトチロシナーゼとチロシナーゼ分解誘導化合物との相互作用について測定する。一部化合物についてはチロシナーゼとの結合部位が予測されているので、変異型チロシナーゼを用いてその予測について検証する。本研究成果により、ヒトチロシナーゼとの相互作用化合物のスクリーニングが可能となる。研究継続のため、科研費申請を行う(藤田)。
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