研究課題/領域番号 |
21K06574
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
高崎 一朗 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (00397176)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Nr4a1 / 低分子拮抗薬 / 癌性疼痛 / 抗癌作用 / アロディニア / 核内受容体 / 骨腫瘍 / 機械的アロディニア / 誘導体合成 / 神経障害性疼痛 / in vivo イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
現在のところ,癌も疼痛も同時に抑えるような薬は存在しない。癌細胞の増殖と疼痛に関与する共通分子として核内受容体Nr4a1を同定した。本研究では,申請者がすでに開発した新規Nr4a1小分子拮抗薬が,癌と癌の痛みを同時に抑えるようなこれまでにない薬になるかどうか,癌性疼痛モデルマウスを用いて検討するとともに,その抗癌・鎮痛作用メカニズムについて明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では,申請者らが開発したNr4a1小分子拮抗薬(化合物A)が抗がん作用および鎮痛作用を併せ持つかどうかを検討するため,マウスの大腿骨への癌細胞の移植による癌性疼痛モデルを用いた評価を行った。当該モデルマウスに化合物Aを投与したところ,抗腫瘍作用および鎮痛作用が認められた。一方でその作用は部分的であったため,さらに強力なNr4a1小分子拮抗薬の合成研究を行い,新たに化合物A-15の獲得に成功した。癌性疼痛モデルマウスを用いて評価したところ,化合物A-15は化合物Aを上回る抗腫瘍作用と鎮痛作用を示した。Nr4a1拮抗薬は抗癌作用と鎮痛作用と併せ持つ化合物となり得る。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既存の抗癌薬には骨髄抑制や嘔吐,下痢などの強い副作用が伴う。また癌患者の70%近くが経験する癌性疼痛に対して使用されるオピオイド鎮痛薬にも,呼吸抑制や嘔吐,便秘など副作用が伴う。したがって,一つの薬で癌も痛みも抑え,かつ従来の抗癌薬・鎮痛薬の副作用を回避できる薬が開発できれば,癌や癌性疼痛,薬の副作用に苦しむ患者を救う画期的な治療薬となる可能性がある。本研究で開発した新規Nr4a1拮抗薬は,骨癌性疼痛モデルマウスにおいて抗癌作用と鎮痛作用を併せ持つことが明らかとなった。癌と癌の痛みに苦しむ患者にとって新たな治療の選択肢となるかもしれない。
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