研究課題/領域番号 |
21K06590
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
尾中 勇祐 摂南大学, 薬学部, 講師 (90749003)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | がん / うつ様行動 / 情動機能障害 / ミクログリア / スパイン / 腫瘍切除 / シナプス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、海馬ミクログリアの異常がシナプスの形態・機能の変化を介して腫瘍切除後 に持続するうつ様行動に寄与する可能性を明らかにする目的で、 1.腫瘍切除後に形態変化した海馬ミクログリアの異常の詳細 2.海馬ミクログリアの形態変化とうつ様行動および神経機能変化との関連性 を明らかにする。 本研究課題の達成は、海馬ミクログリアの機能異常を介したうつ症状の発現メカニズムの解明と、がん治療後に持続するうつ症状に対する新たな治療法の提案につながると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では、海馬ミクログリアの異常がシナプスの形態・機能の変化を介して腫瘍切除後に持続するうつ様行動に寄与する可能性を明らかにすることを目的とし、分子生物学的、薬理学的検討を行い、以下の成果を得た。ミクログリアの機能調節薬であるミノサイクリンは、腫瘍切除マウスの社会性の低下とともに、海馬におけるミクログリアの形態、神経細胞のポストシナプス数、およびミクログリアとポストシナプスとの相互作用の変化を改善することを明らかにした。以上の結果は、がん病態時およびその治療後において、海馬ミクログリアの機能異常が神経機能の変化を介して、長期的に持続するうつ様行動の発現につながる可能性を示唆するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、がん患者で認められる脳機能障害は、治療後も長期間持続する可能性が示されつつある。一方で、がん患者の脳機能障害がなぜ持続するのかに注目した研究は一切ない。本研究では、腫瘍を切除したマウスにおけるうつ様行動の発現メカニズムに海馬ミクログリアの機能異常が関与することを見出した。本成果は、今後、ミクログリアの機能異常を正常化する方法を模索することにより、がん治療後に持続する脳機能障害を改善する方法の確立につながると考えられる。
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