研究課題/領域番号 |
21K06634
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
安達 禎之 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (60222634)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | スギ花粉症 / 1,3-β-グルカン / デクチンー1 / 自然免疫 / 獲得免疫 / アジュバント / (1→3)-β-D-グルカン / デクチン-1 / (1→3)-β-D-グルカン / 樹状細胞 / 花粉外壁 / 免疫活性 |
研究開始時の研究の概要 |
スギ花粉は、毎年大量に飛散する花粉アレルゲンタンパク質(Cryj1等)に対するIgE抗体産生が発症に関わる。我々は、花粉粒の外壁に潜在する(1→3)-β-D-グルカン(BG)が、樹状細胞のBG受容体(デクチン-1)を介してアジュバントとして作用し、IgE抗体産生を促進させることを論文報告した。本研究では、花粉BGのアジュバント作用をより明確にする目的で、分画した外壁BGの免疫学的活性を詳細に解析する。花粉外壁BGのデクチン-1結合性、デクチン-1発現細胞種の活性化作用、マウス投与実験での細胞集団の変動、サイトカイン及び抗体産生パターンの解析等により外壁BGの免疫学的活性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
1. デクチン-1アンタゴニストの免疫抑制活性解析 デクチン-1アンタゴニストを探索する目的で、中分子化合物ライブラリーのスクリーニングを行ったが、有効な化合物探索には至らなかったため新たにマウスデクチン-1モノクローナル抗体(mAb)を2種樹立した。mAbはスギ花粉外壁成分(BG含有)のデクチン-1結合を阻害し、スギ花粉経鼻接種によるマウスモデル実験において、isotype対照抗体に比べ、スコア低下傾向を示した。一方、マウス樹状細胞のサイトカイン産生(特にTNFα、IL-6)に対してmAbは有意に低下させた。培養細胞レベルでスギ花粉のβ-グルカンとデクチン-1との相互作用が免疫刺激性に重要であった。 2. スギ花粉抗原性の検討 花粉糖鎖抗原のスギおよび他種植物との交差反応性を検討する目的で、各種植物花粉抽出糖鎖のβ-グルカン結合タンパク質及びレクチン反応性を比較した。ヒノキ科内では、BG、Man、及びシアル酸の反応性が共通して観察され、イチョウ、マツではBG、Gal、GalNAcが主に認められ、植物種間で異なる特徴を示した。樹状細胞のサイトカイン誘導能はスギ等のヒノキ科花粉が最も高かった。花粉粒表面のBG量と活性相関が認められたため、糖鎖抗原のうちBGが特に刺激性が高いことが明らかとなった。 3.スギ花粉経鼻接種マウスの抗体クラスの比較 野生型及びデクチン-1KOマウスへのスギ花粉接種後のIgクラスを比較したところ、野生型ではアレルゲンに特異的な抗体クラスが、IgEのみならずIgG1、IgG2a、IgG2bでも高く誘導されたが、デクチン-1KOでは有意な低下を示した。以上の解析結果から、スギ花粉のBGはDectin-1に作用して樹状細胞のTNFαやIL-6産生を誘導してヒノキ科花粉アレルゲンに対するThサブセットを不偏的に活性化し抗体産生を促進させることが示唆される。
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