研究課題/領域番号 |
21K06653
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 横浜薬科大学 |
研究代表者 |
亀卦川 真美 横浜薬科大学, 薬学部, 助教 (30896626)
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研究分担者 |
福田 秀子 (曽根秀子) 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (60280715)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 神経変性疾患 / 生薬人参成分ジンセノサイド / 計算機科学的解析 / ヒトiPS細胞 / ヒト脳オルガノイド / 神経変性疾患モデル / 医薬品副作用データベース / 報告オッズ比 / 生薬人参 / ジンセノサイド / 有害事象自発報告データベース / 構造活性相関 / ヒト多能性幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
神経変性疾患における漢方薬の必要性が高まっているが十分なエビデンスが蓄積されていない。そこで、生薬人参の主成分であるジンセノサイド及びその代謝物が脳神経を保護するかという点に着目し研究を行う。神経変性要因として共通する特徴はミトコンドリア障害などの酸化ストレスが影響しているという仮説に対して、ジンセノサイド類のリガンド・受容体相互作用、相互作用活性値を指標とした構造活性相関の解析及びヒト多能性幹細胞を用いた神経細胞の基盤的応答の機序解明などを行う。さらに、神経変性疾患で使用されている漢方薬の実態を整理し、有用性の検討を行う。本研究は、神経変性が関わる広範囲な疾患や認知症施策の推進に貢献する。
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研究実績の概要 |
生薬人参主成分ジンセノサイド類(GRs)及び代謝物PPD及びPPTの神経保護作用に着目し研究を進めた。前年度までに、in silico解析によってエストロゲン受容体に対しで部分的にアゴニスト作用を有する事、また、MCF-7細胞において神経保護作用および抗炎症作用に関連する遺伝子発現の変動が認められていたことから、ヒト脳神経細胞を用いてGRs及びPPD,PPTの神経保護作用の検証を行う計画を立てた。そのため、ヒトiPS (hiPS)細胞からなる脳神経オルガノイドの育成を行った。現在、再現性のあるヒト脳組織の発生モデルを構築し薬物評価ができる段階まで進んでいる。具体的には、hiPS細胞株を平面培養した後にEB胚葉体を作成し育成した。これは、神経発生や疾患において重要な役割を果たしていると考えられている中胚葉由来のミクログリアを含むヒトの脳微小環境を模倣した3次元共培養オルガノイドである。神経発達の評価指標として、大きさや伸展度及び内部構造の形態変化が薬理作用評価の指標になりうるかを検証するために脳神経オルガノイドに神経毒性を有するロテノンなどの農薬を曝露しin vitro 神経変性疾患モデルを開発した。 並行して、医薬品副作用データベース(JADER) を用いて有害事象の発生頻度による報告オッズ比を指標にしてボルケーノプロットを作成した。人参含有漢方処方における薬理・副作用比較検討を行った結果、間質性肺疾患や薬物性肝障害を引き起こす可能性があるのに対して、腸間膜静脈硬化症や偽アルドステロンに関連した副作用を減少させる傾向があることが示唆された。また、神経変性疾患のうちにパーキンソン様事象に関わる医薬品を抽出した結果、スルピリドが副作用として強いシグナルが検出された。一方、ステロイド骨格を持ったメチルプレドニゾロンなどいくつかの医薬品に副作用を減少させる傾向があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画全体として概ね順調に進んでいる。研究計画の一連の流れをモデル構築することができたことが進捗に大きく影響している。上述の通り、(1)神経保護作用に影響のある漢方薬及び医薬品の探索(2)候補生薬成分の分子相互作用解析(3)ヒトiPS細胞、神経分化細胞及びヒト脳オルガノイドにおける薬理作用評価を行っている。ヒト脳オルガノイドの作成については特に進展しており、胚葉由来のミクログリアを含むヒトの脳微小環境を模倣した3次元共培養オルガノイドシステムの作製を試みている。(1)については漢方薬のデータ数の問題により信頼できるシグナル検出の構築に時間を要しているが、医薬品の抽出や化学構造類似性などからより信頼性の高いシグナル検出を模索している。一方、(3)については薬物評価ができる段階まで育成が進んでおり実験成果が得られている。その結果、(2)の薬理作用スクリーニング予測から(3)の実験検証へのモデル構築が完成しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画は概ね順調に進展しているため、当初計画に準じて進めていく。特に、神経保護作用に影響のある漢方薬及の探索について医薬品の抽出や化学構造類似性などからより信頼性の高いシグナル検出を推進させ、構築した実験系に導入していくことを目標とする。 (1)有害事象自発報告データベースから抽出された神経保護作用のある漢方薬を多変量解析などの統計的手法を用いて原因生薬を探索する。しかし、神経変性疾患及び漢方薬の報告数が少なく漢方薬が抽出されにくいことが課題である。そのため、漢方薬以外の医薬品も対象とし人参代謝物との構造類似性から薬理作用を類推する。その後、抽出された候補化合物に対する転写因子(核内受容体)を探索し作用機序の予測を行う。(2)神経変性に関わる医薬品及び漢方薬との相互作用をドッキングシミュレーションなどの手法を用いて確認していく。(3)これまでのin silico実験をin vitro実験で検証していく。脳神経細胞及びヒト 脳オルガノイドを用いて神経変性誘発の特徴を形態的変化及び生化学的変化から評価する。(4)マイクロアレイ分析を用いて遺伝子発現データを抽出しバイオインフォマティクスツールを用い標的分子を同定する。
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