研究課題/領域番号 |
21K06661
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
安楽 誠 崇城大学, 薬学部, 教授 (60398245)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | キトサン / ナノファイバー / 酸化ストレス関連疾患 / 抗酸化作用 / 機能性多糖類 / シクロデキストリン / 吸収性改善 / 分散性 / ハイドロゲル / 徐放化 / アルブミン / 抗酸化剤 |
研究開始時の研究の概要 |
生活習慣病をはじめとした酸化ストレス関連疾患に対して,機能性多糖素材(キトサン及びキトサンナノファイバー (CS-NF),環状オリゴ糖シクロデキストリン (CD),サクラン等) と既存薬物とのコンビネーションによる新たな抗酸化作用を活用した多機能性経口製剤を設計し,酸化ストレスを軽減させる新たな治療及び予防戦略を提案する.
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研究実績の概要 |
本研究では,生活習慣病をはじめとした酸化ストレス関連疾患に対して,機能性多糖素材と既存薬物及び既存サプリメントとのコンビネーションによる新たな抗酸化作用を活用した多機能性経口製剤を設計し,酸化ストレスを軽減させる新たな治療及び予防戦略を提案することを目的としている. 研究初年度に,カチオン性多糖類であるキトサン及びそのナノファイバーとアニオン性環状オリゴ糖であるシクロデキストリンにより調製したハイドロゲルが,適度な強度と安定性を維持し,含有薬物の可溶化能と徐放化能を示すことが確認され,経口ゲル製剤としての応用が期待されている. 経口製剤の設計にあたり,最も服用しやすい剤形は錠剤であることから,多機能型カチオン性多糖類であるキトサンを用いての錠剤化さらにはキトサンを含む配合型錠剤の開発が期待されている.しかし,通常のキトサン粉末は水に接触するとゲル化しやすいため,その顆粒や錠剤の崩壊性は著しく低下する.この欠点を改良するため,特殊な条件の下,分散性に優れた造粒キトサンの設計に成功した.そこで2年目の検討として,この造粒キトサンを用いて,脂質代謝異常症に有効な機能性食品素材であるカテキンとの配合錠を調製し,その物性,溶出性及び体内動態について,未造粒キトサン/カテキン配合錠と比較検討した.その結果造粒キトサン/カテキン配合錠は水に接触直後から崩壊が始まり,試験開始後数十秒で崩壊した.造粒キトサン/カテキン配合錠のカテキンの溶出性は,未造粒キトサン/カテキン配合錠の溶出性と比較して顕著に速く,ラットにおけるカテキンの吸収速度も未造粒配合錠に比べ著しく増大した. 以上の結果より,造粒キトサン/カテキン配合錠は,未造粒キトサン/カテキン配合錠より崩壊性および分散性が優れることから,脂質異常症等に対して有効な錠剤として機能するものと考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究2年目として,抗酸化作用をはじめとした多機能性を有する食品素材 (分散型造粒キトサン及び機能性食品素材カテキン) の組み合わせにより多機能性錠剤を調製することができた.また分散型造粒キトサンの分散性,崩壊性は,通常のキトサンよりも,顕著に速く,キトサンを利用した配合錠の調製が可能となり,実際の病態への応用が期待される. したがって,研究はおおむね順調に進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
造粒キトサン/カテキン配合錠が,未造粒キトサン/カテキン配合錠より崩壊性および分散性に優れることから,脂質異常症等に対して有効な錠剤として機能する可能性が強く示唆された.そこで,今後は,この崩壊性に優れた造粒キトサン錠及び造粒キトサン配合錠を用いた病態モデル動物への投与を行い,未造粒キトサン錠及び未造粒キトサン配合錠との比較検討を行う予定である.
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