研究課題/領域番号 |
21K06667
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
松澤 和彦 鳥取大学, 医学部, 助教 (50631321)
|
研究分担者 |
長田 佳子 鳥取大学, 医学部, 講師 (50304209)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | バセドウ病眼症 / バイオマーカー / 涙液 / メタボローム |
研究開始時の研究の概要 |
ステロイドが奏功するバセドウ病眼症症例の指標の確立を目的として、治療前活動性バセドウ病眼症の涙液、血液を検体として、治療前核酸代謝物、EBV再活性化マーカーの測定を実施する。ステロイドパルス後のバセドウ病眼症の治療奏功性と治療前マーカーを対比することでこれらのマーカーの有用性を確認しその精度を検証する。
|
研究実績の概要 |
バセドウ病眼症のステロイド治療奏功性を予想するバイオマーカー確立のため涙液、血液を検体として研究を遂行している。しかし涙液は安定して採取することが困難であり、血液検体を用いた研究を中心に遂行した。 バセドウ病眼症10例(治療前)、バセドウ病3例、健常者3例の血清を用いて網羅的プロテオーム解析(高深度DIA解析)を実施した。治療開始後6カ月間での臨床的経過からバセドウ病眼症は治療効果あり6例、治療効果なしが4例であった。DEPs(differentially expressed proteins)は効果あり症例でdown regulateされたものが121、up regulateされたものが142同定された。対照であるバセドウ病、健常者とのデータの比較、またこれまでのバセドウ病眼症のバイオマーカーとしての報告やタンパク間相互作用などの観点からより信頼できるDEPsを絞りこんだ。結果、TGF betaを中心としたタンパク間相互作用が強いDEPs、治療奏功性と非常に強く相関がみられ、バセドウ病眼症のバイオマーカー候補として過去に報告があるCarbonic anhydrase1, 2をバイオマーカー候補に絞り込んだ。TGF beta, Progranulin, Vitronectin, Heparanase, Inhibin beta E chain, Carbonicanhydrase1, 2の7化合物をバイオマーカー候補とした。 治療前に奏功性を予期できるバイオマーカーが確立すれば不要な副作用を避け、バセドウ病眼症治療の質は大きく改善する。また、安定的に採取できる血清を検体として確立できれば侵襲性や技術的な問題なく、有用である。 次年度は症例数を増やして上記のバイオマーカー候補を測定し、臨床経過と突合し、検証することでバイオマーカーとして確立することを目標とする。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
涙液を検体とした研究としては採取上の問題が大きく、当初予定していた症例数を確保することが困難であったが、検体を血清とすることで症例数の問題は解決し、また上記のように候補因子を上げるまでに至っていることは順調な進展と考えた。
|
今後の研究の推進方策 |
上記「研究実績の概要」に記載したバイオマーカー候補を多くの症例で検証していく。
|