研究課題/領域番号 |
21K06689
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
池村 健治 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (70513935)
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研究分担者 |
奥田 真弘 大阪大学, 医学部附属病院, 教授 (70252426)
西村 有平 三重大学, 医学系研究科, 教授 (30303720)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | シスプラチン / 難聴 / 有機カチオントランスポータ2 / プロトンポンプ阻害薬 / 医療リアルワールドデータ / 薬物間相互作用 / 薬物相互作用 / ゼブラフィッシュ / 医療ビッグデータ / 有機カチオントランスポータ2 |
研究開始時の研究の概要 |
シスプラチン(CDDP)の重大な副作用として難聴が知られているが、有効かつ安全な予防法は未だない。CDDPの難聴発症には、有機カチオントランスポータ2(OCT2)による内耳へのCDDPの蓄積が関与すると報告されている。そのため、OCT2阻害作用を持つ薬は、CDDPの難聴に対する予防薬となる可能性がある。本研究では、医療ビックデータであるFDA有害事象報告(FAERS)データベースを解析して、CDDPの難聴に対する予防薬を調べ、CDDP誘発性有毛細胞障害ゼブラフィッシュを用い、CDDPの難聴予防効果を検証することにより、CDDP難聴に対する新規予防法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
有害事象報告データベース解析から、プロトンポンプ阻害薬(PPIs)がシスプラチン(CDDP)誘発性難聴を軽減できる可能性を見出した。また、ゼブラフィッシュにPPIsの一種であるランソプラゾール(LPZ)を同時曝露することでCDDPによる有毛細胞障害が抑制されたことが明らかとなった。さらに、後方視的調査の結果から、LPZ併用患者では難聴発生率が有意に低いことを見出した。以上の結果より、LPZを含むPPIはCDDP誘発性聴覚障害を抑制することが示唆された。本研究成果は、長年にわたり回避することが困難であったCDDP の難聴に対する支持療法構築に向けた有用な新知見であると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、長年にわたり回避することが困難であったシスプラチンの難聴に対する支持療法構築に向けた有用な新知見であると考えられる。さらに、臨床への還元を意識し、安全性が認められている既存薬から新たな使用方法を見つけ出すドラッグリポジショニングという研究概念も兼ね揃えており、社会的意義の高い研究である。
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