研究課題/領域番号 |
21K06695
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
岸本 久直 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (80723600)
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研究分担者 |
樋口 慧 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (10625304)
井上 勝央 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (50315892)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 粘液層 / Mucin / Mucin‐薬物相互作用 / Mucin型糖鎖 / 脂溶性抗がん剤 / mucin型糖鎖 / 中分子薬 / 膜結合型mucin / 遺伝子編集 / 糖鎖 / ゲノム編集 / 薬物吸収 |
研究開始時の研究の概要 |
膜結合型mucinのうちMUC3A,4,17に着目し、CRISPR/Cas9システムによるゲノム編集技術を独自に応用することでmucinの発現を増強させ安定発現株を得る。得られた細胞を用い、物理化学的特性(脂溶性、電荷、分子量)の異なる薬物の生理的条件下における吸収量およびmucin層への吸着量の変化を、LC-MS/MSを用いて定量的に検討する。その後、薬物との相互作用を評価可能な新規システムの発案を行うため、ヒト腸管における発現パターンを考慮したmucin発現細胞の樹立および脂溶性薬物の腸管膜透過性への影響について、mucinの構造・分子サイズの違いを念頭に統合的な定量解析を行う。
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研究成果の概要 |
経粘膜投与された全ての薬物は、上皮細胞の表面を覆う粘液層を通過する必要がある。粘液層のバリア機能を担う重要な成分としてmucinと呼ばれる高度に糖鎖修飾された高分子糖タンパク質が挙げられるが、薬物の吸収過程におけるmucinと薬物との相互作用およびmucinの分子種差が及ぼす影響については不明である。本研究では、薬物の吸収性と有効性におけるmucin‐薬物相互作用評価の重要性を示しただけでなく、mucinを標的とすることで薬物の細胞膜透過性を亢進できる可能性を示した。今後、薬物の粘膜透過機構における粘液層・mucin層の影響をより詳細に明らかにすることの重要性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、既存の薬物吸収理論において未知とされていた薬物と粘液層との関係性について、mucin‐薬物相互作用という観点から分子論的な評価・考察を可能にした。本研究で得られた成果は、医薬品開発における腸管吸収の適正な評価法を確立する上での新規in vitro評価系の提案に寄与するだけでなく、mucinを標的とした新規吸収改善技術の開発および発展に貢献できるものと期待される。
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