研究課題/領域番号 |
21K06700
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
坂根 稔康 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (50215638)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | オキシトシン / 自閉症スペクトラム障害 / 脳 / glymphatic system / 鼻腔内投与 / 自閉症治療 / 脳内送達 / aquaporin 4 / acetazolamide / Glymphatic system / 自閉症 / oxytocin / 脳送達 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、鼻腔内投与によるOXTの脳送達効率を改善する手法を開発し、OXTによる自閉症スペクトラム障害に対する治療の有効性を向上させることである。本目的を達成するために、薬物の物性と鼻腔内投与による脳内送達特性との関係を検討し、その情報に基づいて、治療システムを設計する必要がある。脂溶性、膜透過性が異なるモデル薬物を鼻腔内投与した後、その脳内動態に対するGPSの影響を詳細に評価する。さらに、製剤的工夫(鼻腔内滞留性、嗅上皮細胞層透過性の向上)により、脳内送達効率を高めた新たな DDS製剤を開発し、OXTによるASDに対する治療法の量的、質的な向上を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、鼻腔と脳との間の直接的な薬物移行経路を活用して、オキシトシン(OXT)の効率的な脳内送達を実現し、自閉症スペクトラム障害に対するより有効な治療法を開発することを目的とする。鼻腔内投与後のOXTの吸収、脳移行、脳内動態およびそれらに影響を与える因子について、動物実験を中心に検討を行った。OXTの脳移行に対して、鼻腔から脳への直接移行の寄与が高く、OXTは効率よく鼻腔から脳に移行していること、さらに、脳細胞外液の循環システムであるGlymphatic systemを制御することにより、OXTの脳内からの消失の遅延を介して、OXTの脳内濃度の増大と持続を実現できる可能性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、自閉症スペクトラム障害(ASD)の治療は、付随する不安やうつなどに対する対症薬物治療が実施されているに過ぎず、社会性の欠如、コミュニケーション障害、限定された興味等の中核症状に対する治療薬は存在しない。医師主導臨床試験で、オキシトシン(OXT)の鼻腔内投与製剤が、ASDの中核症状に対する治療薬となる可能性が指摘され、ASD治療薬の開発に対する期待が高まっている。本研究成果は、医師主導臨床試験の結果をもとに、OXTの鼻腔内投与製剤によるASDの治療システムの有効性を改善し、臨床応用を実現するための基礎的情報として、きわめて重要と考えられる。
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