研究課題
基盤研究(C)
これまで肥満患者における洞結節機能障害に関する詳細なメカニズムの報告はなく、このメカニズムにIfチャネルを含めたリズム発生に関わる因子のリモデリングが関与している可能性を研究することは斬新かつ独創的である。洞結節リモデリングのメカニズムを解明し、洞不全症候群患者への新しい治療法の開発に繋げていくことができる。
洞結節のリズム発生に関しては、Membrane clockとCa2+ clockが相補的に機能して洞調律を作り出していると言われている。今回の我々の研究によって12誘導心電図で認められ、心筋線維化を示していると考えられたnotched P波を有している場合は、電気的除細動後に心房細動が早期再発しやすいことを確認した。このことは、実臨床において心房筋の線維化が心房細動発生に関与していることを示唆する所見であった。また、心外膜脂肪組織による洞結節細胞およびその周辺の心房筋細胞の線維化誘導を起こし、そのことが心房細動の誘発に関与していることが示唆された。
肥満およびメタボリックシンドローム患者の増大が引き起こす合併症は解決すべき課題となっている。洞不全症候群および心房細動などのリズム異常を合併することが多く、そのメカニズムとして洞結節細胞の線維化およびリモデリングなどの関与が示唆される。今回の我々の研究によって心房筋組織の線維化および興奮伝導障害が洞結節機能障害、および心房細動の出現に関与していることが確認された。このことは、心房筋線維化の原因となりうる肥満およびメタボリックシンドロームがリズムに及ぼす影響を証明することができたと考えられる。今後さらにそのメカニズムを明らかにしていくことで、新しい治療方法の開発に繋げていくことができる。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
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