研究課題/領域番号 |
21K06786
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
中條 浩一 自治医科大学, 医学部, 教授 (80390699)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 電位依存性カリウムチャネル / KCNQ1チャネル / 心臓 / QT延長症候群 / 電位センサードメイン / ゼブラフィッシュ / 修飾サブユニット / KCNE / HCN4チャネル / イオンチャネル / 全反射蛍光顕微鏡 / 1分子イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
イオンチャネルの多くは、複数種類のサブユニットからなる複合体を構成し、機能を獲得することが知られている。しかしその知見の多くは、主に強制発現系を用いた研究の成果によるものであり、実際の生体内でどのような複合体を構成しているかについては不明な点が多い。本研究は、特に電位依存性K+チャネルKCNQ1とその修飾サブユニットKCNEに注目し、生体における複合体構成ならびに生理機能を明らかにすることが目的である。KCNQ1チャネルを制御する各種KCNEをゼブラフィッシュの心臓に発現させ、生体内での複合体構成を調べたうえで、心臓の生理機能がKCNEの発現によってどのように調節されるかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
当該年度は、KCNQ1チャネルの修飾サブユニットであるKCNE1とKCNE3について、それぞれの発現部位をGFP蛍光を観察することで解析した。特に生後3ヶ月経った成魚における心臓での発現部位を詳細に解析し、KCNE1は心臓の一部に限局した発現を示す一方、KCNE3は心臓全体に発現していることが明らかとなった。 昨年度までにヒトのKCNE3がKCNQ1チャネルのゲーティングメカニズムを変えて常時開状態にするメカニズムについて、KCNQ1チャネルのS1セグメントに着目し、S1セグメントのアミノ酸がKCNE3との結合ならびに機能調節メカニズムに重要であることを明らかにした。当該年度では、この成果をもとにKCNE1のKCNQ1チャネル制御メカニズムにおけるS1セグメントの役割を検討した。その結果、KCNE1においてもS1セグメントがゲーティング修飾メカニズムに重要な役割を果たしていることがわかった。一方で、KCNE3とは異なり、S1の上部と下部で役割が異なることを示唆する新たな結果を得た。以上の成果は現在論文にまとめ、投稿準備中である。 また当該年度では、KCNQ1チャネルを抑制するKCNE4についても、その抑制機構におけるS1セグメントの役割を検討した。KCNQ1チャネルS1セグメントの変異体を様々試した結果、KCNE4の抑制機構が損なわれることがなかったため、S1セグメントはKCNE4の抑制機構に重要ではないと結論した。KCNE1やKCNE3とは異なるメカニズムによってKCNQ1チャネルと相互作用していると考えられた。
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