研究課題/領域番号 |
21K06792
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
沼田 朋大 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (20455223)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 細胞容積調節 / TRPM7 / LRRC8 / VSOR |
研究開始時の研究の概要 |
虚血性疾患は、世界で最も大きな死因の一つである。虚血性傷害は、壊死に陥った組織を回復させることは極めて困難であるため、壊死を未然に抑えるための治療法が求められている。虚血誘発性細胞死は、虚血後に急速な細胞膨大が続き、最終的に壊死となる。その ため壊死を防ぐためには、細胞膨大させる機構を知る必要性が高まった。細胞膨大に働くイオンチャネルは、最近の研究結果によりTRPが分子実体であることが分かり、より詳細な解析が可能である。今回の研究では、①細胞膨大過程で働くカチオン流入抑制、②膨大した細胞を元の容積へ戻す機構の開発により虚血誘発性細胞膨大壊死からの救済することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、細胞容積調節機構において膨らみセンサーであるTRPM7タンパク質と、細胞を元の大きさに戻すアニオンチャネルであるVSORタンパク質の2つのタンパク質が果たす役割についての疑問を解明した。ここでは、細胞の膨張を抑えるシステムにおける2つのタンパク質の相互関係に焦点を当て、TRPM7とVSORが協調して、膨らんだ細胞を元に戻すしくみを明らかにした。具体的には、細胞が膨張した際にTRPM7とVSORのコア分子であるLRRC8Aが物理的に相互作用すること、そしてTRPM7-VSORが機能連関を通じて活性化することを、2種類のイオンチャネル活性の同時測定を用いて証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞は、からだを作る最小単位として、その大きさが変化しても元の大きさに戻る仕組みを備えている。しかし、種々の病理的条件下でこの調節機能を失うと、細胞は死滅し、そのことが原因で病気となる。細胞の大きさを調節するメカニズムを理解することは、細胞の生死の制御を行うことにつながるため、がん細胞の治療法開発などへの応用が期待される。この研究成果は、細胞の生存メカニズムの解明に貢献し、将来的にはさまざまな病気の治療法の革新に寄与する可能性がある。
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