研究課題/領域番号 |
21K06859
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 群馬パース大学 |
研究代表者 |
木村 鮎子 群馬パース大学, 医療技術学部, 講師 (50553616)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ユビキチン / 細胞老化 / プロテオミクス / 老化 / プロテアソーム / 翻訳後修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質の選択的分解除去に関わるプロテアソーム複合体は、構成因子の組み合わせや修飾によって制御される、緻密で洗練された分子装置である。増殖の盛んながんや酵母ではプロテアソーム活性が異常に亢進しており、種々のモデル動物や培養細胞などで、プロテアソームの増加が寿命を増加させることが報告されている。一方で、老齢マウスや老化モデル細胞ではプロテアソーム活性が低下しており、異常タンパク質の蓄積と、老化やそれに伴う疾患の発症に関わると考えられる。本研究では、老化に伴うプロテアソームの修飾変化の体系的な解析とタンパク質分解活性調節による細胞老化メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、質量分析による翻訳後修飾解析手法等を用いたヒト老化モデル細胞株の解析により、細胞老化過程におけるプロテアソームサブユニットの翻訳後修飾変化とタンパク質分解系の変化を明らかにすることを試みた。結果として、老化モデル細胞株ではプロテアソームの活性低下とポリユビキチン化タンパク質の蓄積が見られ、その中にはアポトーシスに関わる膜タンパク質やタンパク質毒性ストレス応答に関わるユビキチン化関連酵素などが含まれていることが分かった。また、老化モデル細胞では、K63結合型ポリユビキチン化タンパク質の蓄積と共に、K48・K63結合型ユビキチンの細胞内局在が大きく変化していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プロテアソーム活性の増減が細胞の老化や寿命、がん化に関わることは以前から報告されていたが、本研究ではその生理的意義について、細胞内ユビキチン化タンパク質の比較プロテオーム解析手法を用いて初めて明らかにすることができた。今回の解析で、老化モデル細胞特異的な増加が見られる種々のユビキチン化タンパク質が明らかにされたことにより、老化や老化関連疾患の分子機構解明が進み、深刻化の懸念される超高齢社会に伴う医療問題の解決の糸口となることが期待される。
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