研究課題/領域番号 |
21K06875
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
唐澤 直義 自治医科大学, 医学部, 講師 (60631893)
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研究分担者 |
高橋 将文 自治医科大学, 医学部, 教授 (40296108)
相澤 恵美 自治医科大学, 医学部, 臨床助教 (80877621)
駒田 敬則 自治医科大学, 医学部, 講師 (90824730)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 炎症性カスパーぜ / パイロトーシス / 好中球 / 炎症性カスパーゼ / 動脈硬化 / インフラマソーム / マクロファージ / コレステロール結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
カスパーゼ11はカスパーゼ1と類似した酵素活性を示す炎症性カスパーゼとして知られており炎症性細胞死パイロトーシスの誘導とインフラマソームの活性化を引き起こす.本研究では,カスパーゼ11が脂質リガンドを直接認識し,動脈硬化病変における細胞死と炎症を制御するセンサー分子であるとの仮説の下,カスパーゼ11欠損が動脈硬化の進展に及ぼす影響を明らかにするとともに,動脈硬化病変におけるカスパーゼ11依存的な細胞死の誘導を検証する.さらに,カスパーゼ依存的な細胞死とコレステロール動態の関連を明らかにするため,パイロトーシスの過程におけるコレステロールがどのような制御を受けるかを明らかにする.
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研究実績の概要 |
動脈硬化病変における炎症の惹起機構として、コレステロール結晶やリン酸カルシウム結晶を危険シグナルとして認識するNLRP3インフラマソームの重要性が示めされている。NLRP3インフラマソームはカスパーゼ1の活性化を介して、炎症性サイトカインIL-1βの産生や制御された細胞死であるパイロトーシスを誘導することで炎症を惹起する。一方、カスパーゼ11はカスパーゼ1と類似した炎症性カスパーゼであり、同様にパイロトーシスへの関与が明らかになっているが、動脈硬化形成における役割は明らかではない。そこで、本研究ではカスパーゼ11が動脈硬化の進展に及ぼす影響について明らかにすることを目的として研究を行なった。Apoe欠損下にてカスパーゼ11変異を保有するマウスを作成し、ウエスタンダイエットを負荷時の動脈硬化形成について評価を行った。大動脈起始部の動脈硬化病変面積について、Oil-RedO染色により評価したところ、カスパーゼ11の変異下では病変面積に差を認めなかった。しかし、カスパーゼ11の変異は壊死性病変の面積を減少させるとともに、病変におけるコレステロール結晶の蓄積を抑制した。さらに、カスパーゼ11の変異は動脈硬化病変への好中球の浸潤を抑制した。 また、RNA-seqデータの解析から、好中球の浸潤とカスパーゼ11の増加は進展した動脈硬化病変における特徴であることが明らかになった。これらの発現プロファイルはヒト動脈硬化の不安定プラークにおいても認められた。カスパーゼ11は進展した動脈硬化病変において誘導され、好中球の浸潤と壊死性病変の形成に関与することが示唆された。次年度以降の解析としては,カスパーゼの活性化が細胞内の脂質代謝に及ぼす影響について解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動脈硬化モデルマウスを用いた研究結果については、必要な解析を実施し、現在査読付き英文雑誌に投稿中である。次年度の計画に用いる実験材料も予定通り構築済みである。
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今後の研究の推進方策 |
本年度までの研究において、カスパーゼ11が動脈硬化病変における壊死性病変の形成と好中球の浸潤を制御することを明らかにした。次年度以降の解析については、カスパーゼ活性化の変化が、動脈硬化病変の性状を変化させる分子機序を明らかにするため、培養細胞株を用いた解析を実施する。複数の薬剤誘導型の遺伝子発現系をレンチウイルスベクターにより導入することで,カスパーゼの活性化により細胞死を誘導可能な泡沫化マクロファージ細胞株を樹立した。この細胞株を用いて、細胞死過程における脂質代謝プロセスの解析を実施する予定である。
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