研究課題/領域番号 |
21K06901
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
大江 倫太郎 山形大学, 医学部, 講師 (40594338)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | IgG4-related disease / AID / FDC / estrogen receptor alpha / estrgen receptor alpha / IgG4関連疾患 / 濾胞樹状細胞 / エストロゲン受容体 / 胚中心 |
研究開始時の研究の概要 |
IgG4関連疾患(IgG4-RD)は難治性で、ステロイドによる根治は困難である。発症メカニズムに、胚中心の形成とB細胞の成熟にかかわるAIDの高発現が関係する。一方、申請者らは抗エストロゲン薬使用により胚中心形成が弱体化する傍証を示し、さらにエストロゲン受容体(ERα)陽性の濾胞樹状細胞(FDC)が密に関わっていることを明らかにしている。従って、胚中心の形成に重要な役割を担うFDCを標的とすれば、抗エストロゲン薬による新たな治療戦略を検討できると考えた。 IgG4-RDの胚中心内のIgG4, ERα, AID, CD23陽性細胞数とmRNA量が、コントロール群との比較し高いことを明らかにする。
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研究実績の概要 |
IgG4関連疾患(IgG4-RD)発症の分子メカニズムは不明であるが、組織学的には、胚中心形成が促進され、B細胞の成熟に関与するActivation-induced cytidine deaminase (AID) の高発現が発症機序の一つと考えられている。我々は濾胞性リンパ腫の間質細胞である濾胞樹状細胞(FDC)が、核内エストロゲン受容体アルファ(ERα)を発現することを明らかにし、さらに抗エストロゲン薬使用によって胚中心形成が弱体化する傍証も示した。 上記のERαの局在とホルモン治療の効果といった知見を基に、本研究課題ではIgG4-RD微小環境のERα+ FDC発現を検討し、先行研究で着目されたAIDの発現との因果関係を見出す。 テーマA「IgG4RDのERα局在」& テーマB「コントロール群のERα局在」:唾液腺とリンパ節のIgG4-RDの胚中心における、ERαとAID免疫染色において、各々の陽性細胞数を非IgG4-RD(慢性唾液腺炎群)のコントロール群と比較した。 IgG4-RD群では慢性唾液腺炎群と比べて胚中心におけるERα陽性細胞が多く存在した。 AID陽性細胞数もIgG4-RD群で多かった。胚中心内のERα陽性細胞局在にFDCにみられた。胚中心あたりのER陽性細胞とAID陽性細胞はIgG4-RD群(rs = 0.76, p < 0.01)、慢性唾液腺炎群(rs = 0.69, p < 0.01)とも正の相関を示した。ERα-ISHでは、IgG4-RD唾液腺組織の胚中心において陽性細胞を多数認めた。 テーマC「IgG4とERαの発現量の因果関係」& テーマD「AIDとERαの発現量の因果関係」:ERαとAIDの免疫染色における陽性細胞数について相関関係を解析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
AIDとERαについて、免疫染色による評価は概ね予想通りであった。さらに、ERαについてはin situ hybridizationも予想通りの結果であった。
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今後の研究の推進方策 |
ERαとAIDの免疫染色における陽性細胞数について相関関係を解析する。
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