研究課題/領域番号 |
21K06906
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
藤井 智美 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (50623477)
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研究分担者 |
三宅 牧人 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80601400)
内山 智子 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (80745448)
島田 啓司 奈良県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90336850)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 膀胱癌 / microRNA / SOX9 / miR-138 / マイクロRNA / 次世代シークエンス法 |
研究開始時の研究の概要 |
膀胱癌の多くは経尿道的膀胱腫瘍切除術で切除が可能である。しかしながら約50%は再発し、10~30%は筋層浸潤性膀胱癌に進展する。従って、術後再発の早期発見と浸潤性膀胱癌への進展リスクの予測と筋層浸潤性膀胱癌に対する分子標的療法の開発が急務である。 本研究では、膀胱癌組織における種々の分化マーカーとmiRNAの関連性を見出す、NGSを用いた遺伝子解析により分化マーカーの発現がmiRNAなどによって制御されているのか、遺伝子変異によるものかを検討する、及び膀胱癌細胞株を用いて分化マーカーと標的miRNAの機能を明らかにし、進展予測のためのバイオマーカーおよび分子標的薬としての可能性を見出す。
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研究成果の概要 |
膀胱癌組織に発現する分化マーカーのうち、SOX9、p53が浸潤性膀胱癌に有意に高発現していたため、次世代シークエンサーを用いた遺伝子解析を行なったところ、遺伝子変異による発現制御の関与は明らかではなかった。一方で、膀胱癌細胞の増殖能や浸潤能はmiRNAやシグナル関連分子などエピジェネティクな発現制御機構によると考えられたため、膀胱癌細胞株を用いて分化マーカーとこれを標的とするmiRNAの機能を検討したところ、膀胱癌細胞の増殖能や浸潤能はエピジェネテックな分子機能に依存しており、特にSOX9がmiR-138の調節を受けて、浸潤増殖に関与していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌の診断や治療においては遺伝子変異の検出や発現異常を示す蛋白の検出が診断の決め手となり、かつ分子標的治療につながる。膀胱癌においては、今のところ癌特異的な分子標的療法につながるような有効な分子が実用化されていない。膀胱癌は分化能が多彩であることから分化に関連する分子に着目した研究は新たな治療標的となりうる分子の発見につながる。今回、浸潤性膀胱癌に高発現するSOX9に着目したところ、細胞増殖や浸潤能に寄与していることが明らかとなった。SOX9の発現を制御するmiR-138の機能も同様であり、SOX9をはじめとするmiR-138の標的分子が将来の分子標的薬の候補となる可能性を見出すことができた。
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