研究課題/領域番号 |
21K06933
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
都築 豊徳 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70627645)
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研究分担者 |
山本 陽一朗 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, チームリーダー (00573247)
小林 恭 京都大学, 医学研究科, 教授 (00642406)
羽賀 博典 京都大学, 医学研究科, 教授 (10252462)
佐々 直人 愛知医科大学, 医学部, 教授 (50437026)
高原 大志 愛知医科大学, 医学部, 助教 (50790317)
溝脇 尚志 京都大学, 医学研究科, 教授 (90314210)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 導管内癌 / PTEN欠失 / TMPRSS2-ERG融合遺伝子 / 人工知能 / 予後不良因子 / 治療奏功予測 / 前立腺癌 / 予後因子 / 免疫染色 / 放射線治療 / intraductal carcinoma / 人工知能システム |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺全摘症例を用いて、導管内癌の存在とPTEN欠失の関連性を検討する。 人工知能システムを用いて、HE標本からPTEN欠失補助システムを確立する。 放射線治療を受けた患者における導管内癌の有無を加味して、現状を凌駕する予後予測能及びAI予後予測システムの開発を目指す。 本研究の成果は、患者個々の前立腺癌の適格な治療に寄与すると考える。
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研究実績の概要 |
前立腺癌においてTMPRSS2-ERG融合遺伝子の存在並びにPTEN欠失は予後不良であることが報告されている。そのほとんどは白人並びに黒人の前立腺癌患者が対象であり、日本人を含むアジア人(黄色人種)のデータに関する報告はほとんどない。我々は、欧米人(黒人を含む)と比較して、日本人のTMPRSS2-ERG融合遺伝子の頻度が少ないことを報告している。しかしながら、その症例数は限定的であった。今回は前立腺癌全摘除術を行った患者を対象として、免疫染色によるPTEN欠失とTMPRSS2-ERG融合の有無の検討を行った。今回の研究では日本人におけるPTEN欠失及びTMPRSS2-ERG融合の頻度の研究は順調に進み、欧米人と比較して、その頻度が有意に低いことを認めることが出来た。このことから、日本人と欧米人の前立腺癌には人種的な差が存在することを示すことが出来た。また、この結果は日本人の前立腺癌患者の予後が欧米人と異なる原因一つである可能性を示すと同時に、アジア人に対する最適化した前立腺癌治療の基礎知識となると考えている。上記内容は既に投稿を行っており、現在は査読中である。 高リスク前立腺癌に対して放射線治療を行った患者における前立腺導管内癌 (IDC-P)の有無と予後との関係を示した。最終的には有意差はつかなかったが、IDC-Pを有する患者の予後は不良である傾向を示すことが出来た。この結果は文献的にも数本のみで、日本人を含め、アジア人を対象とした初めての報告である。本内容は既に論文として発表した (Cancer Sci. 2022;113:2425-2433. )。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本人におけるPTEN欠失及びERG転座の頻度の研究は順調に進み、欧米人と比較して、その頻度が有意に低いことを認めることが出来た。このことから、日本人と欧米人の前立腺癌には人種的な差が存在することを示すことが出来た。本内容は論文として投稿が行われ、現在は査読中である。 高リスク前立腺癌に対して放射線及び抗アンドロゲン治療を行った患者における前立腺導管内癌 (IDC-P)の有無と予後との関係は既に論文として発表した (Cancer Sci. 2022;113:2425-2433. )。単変量では有意差を認めるも多変量解析では有意差はつかなかったが、IDC-Pの存在は予後不良因子であること示した。
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今後の研究の推進方策 |
今までの画像解析では畳み込みニューラルネットワーク(CNN)が主流であったが、近年様々な新しい機械学習技術が提案されている。その中の一つとして現在注目を集めているのが、chatGPTでも使用されているAttention機構を用いた「Transformer」を画像解析に応用したVision Transformer(ViT)である。そこで本研究ではVitを基盤とした病理画像解析技術を構築した。Vitのメリットとして、CNNを上回る予測精度と説明可能性の向上が挙げられるが、一方でデメリットとしてVitが対応できるだけのデータ量の確保が求められる。現在、VitベースおよびCNNべースの病理機械学習技術を用いて前立腺生検画像を解析し、それぞれの適応について比較検討中である。 IDC-Pの腫瘍細胞の性格を精緻に検索する目的で、10xgenomic社のvisiumを用いた空間的RNAトランスクリプトーム解析を試みている。現時点では既に資料を提出しており、解析待ちの状況である。
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