研究課題/領域番号 |
21K06935
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
矢野 博久 久留米大学, 医学部, 教授 (40220206)
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研究分担者 |
秋葉 純 久留米大学, 大学病院, 教授 (00341305)
小笠原 幸子 久留米大学, 医学部, 准教授 (40258405)
三原 勇太郎 久留米大学, 医学部, 助教 (20869086)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / 門脈侵襲 / マイクロアレイ / マイクロダイセクション / 免疫染色 / 門脈浸潤 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
肝細胞癌(HCC)は比較的高頻度に癌結節周囲の門脈に浸潤する。門脈浸潤(PVI)を伴うHCC患者は予後不良であり、HCCのPVIに関する分子機序の解明が必要である。今回、外科切除されたPVIを伴うHCCの主結節(MT)部、PVI部、非HCC(NT)部と、PVIを伴わないHCCのMT部とNT部から組織を採取し、その遺伝子発現を網羅的に検討し、PVIに関連した分子群の同定を試みる。同定した分子群の発現をHCCの切除組織で免疫染色を行い、PVIに最も関連した分子を同定し、更にHCCの細胞株を使用してその分子の発現や機能を検討し、バイオマーカーや治療標的となり得るか検討を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、肝細胞癌(HCC)の門脈浸潤(PVI)に密に関連する分子を同定し、HCCにおけるその発現や機能を解明し、更に、悪性度評価のバイオマーカーや治療標的となる可能性について検討することを目的とした。 外科切除された6例の門脈侵襲(PVI)を伴う肝細胞癌(HCC)の主結節(MT)部、PVI部、非HCC(NT)部から、レーザーマイクロダイセクションにより組織を採取、RNAを抽出しマイクロアレイにより網羅的遺伝子発現解析を実施し、NT部からPVI部に段階的に上昇する遺伝子の検索を行った。最終的に、stromal interaction molecule 2 (STIM2)、codanin 1 (CDAN1)、suppressor of Ty 5 homolog (SPT5) の3分子に絞り検討をすすめた。 免疫染色ではSTIM2とCDAN1は腫瘍細胞の細胞質に発現を認め、SPT5は腫瘍細胞の核に発現を認めた。陽性腫瘍細胞の割合は、いずれの分子も、vp陽性群がvp陰性群より高値であった (STIM2:73.6% vs. 43.1%, p < 0.01;CDAN1:45.5% vs. 27.8%, p < 0.05;SPT5:16.8% vs. 8.8%, p < 0.06)。染色強度に関して、強発現する腫瘍細胞をvp陽性群(STIM2:9例;CDAN1:19例)と陰性群(STIM2:8例;CDAN1:13例)で認めたが、STIM2とCDAN1に関してはvp陽性群でより多くの症例で認めた。強発現腫瘍細胞はvp陽性群ではPVI部に多く見られた。CDAN1を強発現する腫瘍細胞の割合はvp陽性群でvp陰性群より高値であった (12.3% vs. 5.4%, p < 0.05)。
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