研究課題/領域番号 |
21K06949
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
池田 栄二 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30232177)
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研究分担者 |
崔 丹 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40346549)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 血液脳関門 / 脳血管内皮細胞 / Basigin / 難治性神経疾患 / 高マンノース型糖鎖 / 低酸素 / 炎症 / Claudin-5 |
研究開始時の研究の概要 |
様々な難治性神経疾患の病態・治療に深く関与する神経系血管バリアー(血液脳関門など)を人為的に制御する手法(開いた状態⇒閉じた状態、閉じた状態⇒開いた状態)を確立し、難治性神経疾患の克服を目指す。これまで我々は、神経系血管バリアーの調節分子として、脳血管内皮細胞の細胞膜に発現・局在しているADAM12、ADAM17、Basiginを特定し、特にBasiginの治療標的分子としての有用性を示す知見を得ている。本研究計画では、Basiginを標的とした神経系血管バリアー制御プロトコールの最適化とともに、Basiginの糖鎖修飾に着目した標的の絞り込み、また新たな標的分子の特定も行う。
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研究成果の概要 |
神経系血管バリアーが病的に‘開いた状態’になる過程への高マンノース型糖鎖修飾Basiginの関与機構の一端を明らかにした。そして、病的に‘開いた状態’が病態悪化の中枢にある神経疾患のモデル動物を作製し、高マンノース型糖鎖修飾Basiginの特異的阻害により、神経系血管バリアーが病的に‘開いた状態’になる現象に対する予防効果とともに治療効果が得られることを示した。一方、‘閉じた状態’の神経系血管バリアーをBasigin刺激により人為的に‘開いた状態’にする手法については、これまでマウス解析系で得られた知見がヒト解析系でも再現されることが示され、創薬に向け研究を展開している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経系血管バリアーが病的に‘開いた状態’になることが病態悪化の中枢を担う神経疾患が多く存在する。また一方では、神経系血管バリアーの存在(‘閉じた状態’)は全身投与した治療薬が神経組織実質に到達できず治療の妨げになる側面も有している。したがって、現在の医療が有していない神経系血管バリアーの人為的制御手法(‘閉じた状態’⇔‘開いた状態’)の確立に繋がる本研究成果の臨床現場への展開により、神経疾患の治療に大きな変革がもたらされ、多くの神経疾患の難治性克服が期待される。
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