研究課題/領域番号 |
21K06958
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
望月 早月 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 外科学, 講師 (80365428)
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研究分担者 |
上野 秀樹 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 外科学, 教授 (90597535)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 大腸癌 / 線維性癌間質反応 / がん関連線維芽細胞 / CAF / ADAM / TIMP / DR / PDC / 低分化胞巣 / オルガノイド / ADAM12 / Desmoplastic reaction / ADAM9s / ADAM9 / 癌微小環境 / 細胞外マトリックス |
研究開始時の研究の概要 |
当教室では、大腸癌症例を癌細胞浸潤先端部の間質構造の違いから、類粘液性間質と不規則な膠原線維を特徴とするImmature型、類粘液性間質を認めずケロイドで出現するヒアリン化膠原線維が存在するIntermediate 型、繊細な膠原線維が配列した線維性構造からなるMature型に分類 (Desmoplastic reaction: DR分類) し、予後との関係性を検討した結果、手術後の予後はMature型、Intermediate型、Immature型の順に不良となることが明らとなっている。本研究では、DR分類が予後因子となる理由を調べるため、大腸癌手術検体からCAFや大腸癌オルガノイド培養を行い、ADAM分子の網羅的発現と機能解析について検討を行う。
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研究実績の概要 |
大腸癌線維性癌間質反応 Desmoplastic reaction (DR),は、形態学的にMature、Intermediate, Immatureに分類され、悪性化の指標として注目されており、その大部分はがん関連線維芽細胞(CAFs)から構成されている。 Immature型大腸癌のCAFsは活性型ADAM9sを高発現して癌細胞の増殖・浸潤能を亢進することから、CAFsの作用はMMPs/ADAMsの内因性インヒビターであるTIMPs発現量との不均衡のもとに作用していることが推定される。 最終年度は、大腸癌手術検体よりDR分類別にCAFsを培養し、 TIMP1-4の発現量をイムノブロット法で解析した結果、 TIMP2レベルは、immature DR由来CAFs (CAFsimmature)(1.00±0.89)に比べ、mature DR由来 CAFs (CAFsmature ) (6.10±2.97;平均±SD)で有意に高値であった(P=0.0168)。また、蛍光二重免疫染色によりTIMP-2はCAFsmatureから分泌されることが分かった。スクラッチアッセイと細胞内シグナル伝達解析の結果、CAFsmatureの培養上清を加えた大腸癌細胞株(SW480,HCT116)は遊走能が抑制され、細胞内ERK1/2リン酸化も低下した。さらにsiRNAを用いてCAFsmatureでのTIMP-2を発現抑制すると、その培養上清による癌細胞の運動能が亢進し、IL-6の分泌量も促進した。現在、ex vivo培養系でのリコンビナントTIMP2添加により、大腸癌間質のImmature型→Mature型への形態シフトについて検討を行っている。
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