研究課題/領域番号 |
21K07002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 京都大学 (2023) 金沢大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
小倉 康平 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00586612)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | レンサ球菌 / 病原因子 / 感染モデル / 遺伝子発現 / 溶血性レンサ球菌 / 流行型 / 臨床分離株 / 発現解析 / 腎臓 / 皮膚 / 細菌感染 / 重症化 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者や基礎疾患保有患者に対して高い病原性を示すある種のレンサ球菌について、本菌が感染後体内で増殖し、多臓器への障害を引き起こすメカニズムの解明を目的とした研究を遂行する。具体的には、種々の動物モデル(肝疾患・皮膚疾患・糖尿病)を使用した感染実験や細胞株やヒト血液を用いた細菌学的・分子生物学的なアプローチにより、宿主体内での本菌の挙動を明らかにする。
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研究成果の概要 |
近年になり感染症例が多発しているレンサ球菌Streptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis(SDSE)の病原性メカニズムは多くが不明である。本研究課題では、SDSEの新たな病原因子ならびに病原性発揮機構を明らかにすることを目指し、各種性状解析、ゲノム解析、トランスクリプトーム解析を実施した。国内高頻度分離タイプSDSEのヒト血液成分存在下での接着性とそれに関与する線毛形成関連タンパク質を見いだした。また別の、国内高頻度分離タイプSDSEについては、毒素発現を制御する制御因子を選定した。以上より、SDSE固有の感染機構が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SDSEは、基礎研究による報告に比して臨床報告が非常に多く、近年では侵襲性SDSE感染症とアルコールによる肝疾患との関連が示唆されている。これらの疫学的研究は、SDSE感染症が肝臓や腎臓等の組織が連関して重症化するという仮説を支持するものであると言える。さらに、SDSEは高齢者や基礎疾患保有患者に対して強い病原性を発揮するが、迅速かつ適切な処置がなされない場合には若年者に対しても劇症型の症状を引き起こすことが多数報告されている。SDSEの重症化機構の詳細を明らかにすることで、SDSEのみならず劇症型レンサ球菌感染症全体の研究に貢献することができる。
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