研究課題/領域番号 |
21K07004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 愛媛県立医療技術大学 |
研究代表者 |
美間 健彦 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (80596437)
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研究分担者 |
港 雄介 藤田医科大学, 医学部, 講師 (10836620)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 遺伝子発現調節 / sRNA / Vibrio / 発現制御 / 二成分制御系 / RNA結合タンパク質 / 発現調節 / 環境適応 |
研究開始時の研究の概要 |
細菌は、単細胞であるが故に多様な環境に直接曝されており、複数の環境要因を感知して適応する必要がある。申請者は、海洋性細菌V. alginolyticusが保有する4つの機能性small RNAが、「様々な環境シグナルを受けて演算し、適切な遺伝子発現パターンを導く統合型発現制御システムである。」という新しい仮説を提唱した。本研究では、種々の遺伝学的手法および網羅的手法を用いて、統合型発現制御システムの全容を明らかにする。
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研究実績の概要 |
Vibrio alginolyticusの4つsRNA(sRNA1、sRNA2、sRNA3、sRNA4)の発現を調節するタンパク質を探索した結果、sRNA1のプロモーター領域に結合するタンパク質として、Leucine-responsive regulator (Lrp)が見出された。lrp欠失株では、sRNA1の発現量が2.3倍に増加し、lrp相補株では、sRNA1の発現量が約1/3に減少した。以上より、LrpがsRNA1の発現を調節することが明らかとなった。Lrpを精製してsRNA1のプロモーター領域の結合を調べた結果、LrpがsRNA1のプロモーター領域に結合することが明らかとなった。lrpの上流領域には、大腸菌のLrp結合部位のコンセンサス配列に類似性を示す領域が3ヶ所存在した。以上より、LrpはsRNA1のプロモーター領域に結合して、その発現を調節すると示唆された。 ロイシンを添加した培地で野生株を培養したところ、sRNA1の発現量が2倍に増加した。一方、lrp欠失株ではsRNA1の発現量に差は見られなかった。さらに、LrpのsRNA1プロモーター領域への結合がロイシンによって阻害された。以上より、Lrpは、ロイシン非存在下ではプロモーター領域に結合してsRNA1の発現を抑制しており、ロイシンが結合するとsRNA1のプロモーターから外れsRNA1の発現が脱抑制されると考えられる。 我々はこれまでにsRNA1の発現が、VarS/VarA二成分制御系およびArcB/ArcA二成分制御系によって調節されることを明らかにした。本研究によりsRNA1の発現がLrpによっても調節されることが明らかとなった。以上より、本菌の4つのsRNAは、複数の環境シグナルを演算して遺伝子発現を調節し、環境に適応するための統合演算システムと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、Vibrio alginolyticusが保有する4つのsRNAによる種々の環境シグナルの統合演算システムの解明を目指したものである。本年度は、新たにLrpがsRNA1の発現を調節することを明らかにし、その調節機構の詳細を明らかにしたことから、順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
Vibrio alginolyticusが保有する4つのsRNAには、これまでに明らかにしたもの以外にも、さまざまな環境シグナルが伝達されると予想される。また、4つのsRNAによって演算された結果、どの様な遺伝子の発現が調節されるか(アウトプット)は未解明である。今後は、RNAseqなどの網羅的解析手法を用いてそれらを明らかにしていく。そして、sRNA-CsrA演算システムの全容を明らかにする。
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