研究課題/領域番号 |
21K07083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
町田 豪 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80583632)
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研究分担者 |
関根 英治 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40363759)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | MASP-3 / 補体 / 第二経路 / D因子 / 補体第二経路 / 共免疫沈降 / ノックアウトマウス / レクチン経路認識分子 |
研究開始時の研究の概要 |
補体系は重要な生体防御機構である一方、その無秩序な活性化は種々の炎症性疾患の増悪に関わる。本研究では、特に炎症性疾患の増悪に関わるとされる補体第二経路の活性化に必須のセリンプロテアーゼ『MASP-3』の活性化機構を解明する。MASP-3の活性化機構は、補体系の分子メカニズムにおいて唯一未解明である。申請者らは、血清中のプロテアーゼによるMASP-3の活性化機構の存在を強く示唆する結果を、ヒト・マウス両方において独自に見出した。本結果に基づき、MASP-3を活性化する血中プロテアーゼを新規に同定し、補体活性化の分子機構の全容を解明する。
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研究成果の概要 |
補体因子MASP-3は、多くの補体因子とは異なり活性化型として循環しているが、その活性化機構は不明である。我々は、組換えMASP-3が血清中ならびにマウス生体内で活性化型に変換されることを見出した。クロスリンク共免疫沈降法を用いて、MASP-3と複合体を形成する分子を複数同定し、MASP-3の活性化能の有無について精査を行った。また、MASP-3が補体レクチン経路の認識分子と複合体を形成する生理的意義として、その活性化への直接的寄与はなく、MASP-3を生体内に長期間保持する役割を担うことを新たに見出した。本研究により、不明な点が多いMASP-3の生体内における動態が一部明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MASP-3は補体第二経路の活性化に必須の因子であり、補体による生体恒常性の維持を担う一方で、補体が無秩序に活性化されると、多くの炎症性疾患を引き起こすことが知られている。これらの疾患における研究で、第二経路の抑制が有効な治療戦略であることが見出されているが、第二経路の他の補体因子であるD因子やB因子は血中濃度が非常に高く、第二経路の最上流に位置し血中濃度が低いMASP-3を標的とした治療戦略は、より効果的で実用的なものとなり得る。本研究では、MASP-3の生体内における動態を一部明らかにしたもので、有効な治療法が確立されていない種々の補体介在性の炎症性疾患の分野において大きな意義を持つ。
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