研究課題/領域番号 |
21K07096
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
三宅 亨 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70581924)
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研究分担者 |
谷 眞至 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60236677)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | Claudin-9 / Claudin9 / Claudin / 大腸癌 / クラウディン |
研究開始時の研究の概要 |
生体内における癌の進展には免疫を含む癌微小環境が強く関わっている。その機序としてClaudin9が癌免疫に関与している可能性がある。 一方で、Claudin9による癌免疫への影響にかんする分子生物学的機序はほとんどわかっていない。本研究は癌に発現したClaudin9が生体内において癌免疫に影響を及ぼす機序について担癌マウスモ デルや免疫細胞と大腸癌細胞株の共培養を用いて明らかにすることを目的とする。Claudin9 が誘導する免疫抑制機構を解明することで、大腸癌の新たな治療法の開発につながる挑戦的 な研究である。この結果は大腸癌だけでなく、あらゆる難治性悪性腫瘍に波及する可能性が ある。
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研究成果の概要 |
大腸癌とClaudin-9の関連は未だ不明である。今回、Claudin-9を 過剰発現させたCT26細胞株(CT26-OE)を樹立したところ、CT26-OEでは、細胞増殖が有意に増加した。BALB/cマウスを用いて検討したところ、CT26-OEを投与したマウスは、がん移植後の全生存期間が低下し、CT26-OEを投与したマウスで広範な肺転移が確認された。CT26-OE投与マウスの肺では、炎症反応に関与する免疫応答が有意に低下し、CT26-OEの肺のCD3陽性細胞数はコントロールのCT26と比較して有意に減少していた。これらの結果からClaudin-9が癌免疫に抑制に関与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果としてCT26細胞にClaudin(CLDN)9を過剰発現させることで、細胞の遊走と増殖が亢進した。また、CLDN9を過剰発現させたCT26を移植したマウスでは、静脈投与により、肺転移の数を増加させた。肺の組織では、CLDN9が過剰発現した腫瘍では、腫瘍浸潤T細胞の数が有意に減少していた。これらの所見は、大腸癌細胞におけるCLDN9の発現が、in vivoにおいて腫瘍微小環境に影響を与え、免疫系を抑制することを示唆していた。CLDN9は大腸癌の転移を促進し、T細胞浸潤を阻害することで予後に悪影響を及ぼすことから、癌の進行における重要な要素であり、治療の標的となりうると考えられた。
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