研究課題/領域番号 |
21K07117
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 公益財団法人微生物化学研究会 (2022-2023) 東京大学 (2021) |
研究代表者 |
菊地 逸平 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 研究員 (80772376)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | チロシンキナーゼ / がん / 粘膜免疫 / ゲノム編集 / 回腸 / 遺伝子改変マウス / シグナル伝達 / リン酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、いまだ生体内機能が解明されていないチロシンキナーゼファミリーであるPTK6ファミリーキナーゼに着目し、CRISPR/Casゲノム編集によって申請者が最近作製したPTK6ファミリーキナーゼ三重欠損マウスの解析を行うことで、PTK6ファミリーキナーゼが生体内で果たす生理学的役割を明らかにする研究である。さらに、マウスにおける腸疾患モデルを用いることで、病態形成におけるPTK6ファミリーキナーゼの役割を理解し、新たな治療戦略の創出を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、3つのPTK6ファミリーキナーゼ(PFK)を同時に欠損させたPFK三重欠損マウスをCRISPR/Casゲノム編集法により作製した。その結果、PFK三重欠損マウスは小腸の最末端部である回腸において腸上皮恒常性の異常を示した。また、このマウスの回腸では粘膜免疫応答と腸内細菌叢の異常が認められた。さらに系統学的解析の結果、PFKと消化管の共進化を介して、高等脊椎動物における栄養吸収や粘膜免疫にきわめて重要な役割を担う回腸機能の頑健性(robustness)が獲得された可能性が本研究によって明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、これまで生理的機能が全く不明であったPTK6ファミリーキナーゼの生体内機能と病態との関連を調べた。その結果、PTK6ファミリーキナーゼは小腸の末端部位である回腸における組織恒常性や粘膜免疫の調節に必須の役割を担うことを明らかにした。本研究の成果は、回腸が好発部位である炎症性腸疾患「クローン病」や自己免疫疾患などの疾患に対する新たな治療法開発に役立つことが期待される。
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