研究課題/領域番号 |
21K07161
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
角田 俊之 福岡大学, 医学部, 准教授 (70444817)
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研究分担者 |
白澤 専二 福岡大学, 医学部, 教授 (10253535)
青木 光希子 福岡大学, 医学部, 講師 (80469379)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | PMC / KRAS / マクロファージ / KDELR / 薬剤抵抗性 / ゴルジ体 / TAM / BiP / VDAC / PMCD / 3次元培養 / 低分子化合物 / 癌免疫微少環境 |
研究開始時の研究の概要 |
KRAS遺伝子の変異は全癌の30%近くに認められ、膵臓癌で95%、大腸癌で45%,肺癌で35%にも上る変異率を示します。しかし、その変異を標的とする薬剤は臨床においてはいまだありません。但しこのような分子を一つだけ標的としても。谷バイパス経路ができるためにすぐに効かなくなります。我々は変異KRASの下流の分子を幅広くせき止めることのできる薬剤を発見し、さらにその薬剤が免疫賦活効果も有することに着目しました。特に自然免疫系はマクロファージをはじめ腫瘍からの変異KRASからのシグナルによって普段は抑制されており、この経路の制御が抗腫瘍効果において非常に大事だという事が考えらます。
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研究成果の概要 |
化合物Pyra-Metho-Carnil(PMC)は、特にT細胞とB細胞を欠くヌードマウスにおいて、腫瘍成長を強力に抑制する。我々の解析では、PMCはTHP-1細胞のマクロファージへの分化と成熟を抑制し、共培養において腫瘍塊の成長を阻害し、PMCの作用機序は、NFκBシグナリングを介して腫瘍関連マクロファージを抑制することによるものと考えられた。さらに、マウス実験でもPMCの腹腔内投与がマクロファージの成熟を抑制する効果を示した。またPMCの標的である、KDEL受容体を阻害する新規化合物が同定され、KDELRを標的としたドラッグデリバリーシステムも開発した(特許出願済)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに癌に対する多くの分子標的薬が開発されてきたものの、多くの場合薬剤抵抗性を生じる。変異KRASは多くの癌において変異が認められ、これまで直接の分子標的薬はなかったが、近年開発が進んできた。しかし同様に、薬剤抵抗性が問題となっている。その原因は変異KRASが制御するシグナルの上流にバイパスが形成されることが考えられているが、我々はその下流の分子であるKDELRを標的とすることにより、抵抗性の出現の低い抗腫瘍化合物が可能であり、これまでに治療法のない難治性癌の加療が可能になる。
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