研究課題/領域番号 |
21K07187
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院(臨床研究室) |
研究代表者 |
山口 達郎 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院(臨床研究室), 遺伝子診療科, 部長 (10538482)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | Lynch-like症候群 / 遺伝性腫瘍 / Lynch症候群 / MSI / マイクロサテライト不安定性 / 大腸癌 / MSI大腸癌 |
研究開始時の研究の概要 |
MSI大腸癌は、術後補助化学療法の適応や免疫チェックポイント阻害剤の適応に利用されており、臨床上重要なマーカーである。MSI大腸癌には、ミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列の病的バリアントを原因とするリンチ症候群とMLH1遺伝子のプロ モーター領域の異常メチル化を原因とする散発性MSI大腸癌があるが、近年、ミスマッチ修復遺伝子の後天的な異常を起因とするLynch-like症候群が新たなサブタイプとして提唱されている。本研究では、MSI大腸癌のサブタイプについて臨床病理学的因子やそれぞれのゲノム異常について検討する。
|
研究成果の概要 |
2008年から2019年の2634名の大腸癌患者を対象とした。MSI検査の結果、MSI大腸癌は146名(5.5%)で、このうち、30名(1.1%)がLynch症候群(LS)、19名(0.7%)がLynch-like症候群(LLS)と診断された。LLSは若年者、左側大腸に多く、BRAFは野生型であった。散発性MSI大腸癌よりも改訂ベセスダガイドラインとの合致率が高かった。臨床病理学的因子に関しては、LLSとLSの間に有意差は認められなかったが、LS関連腫瘍の発生頻度が低かった。腫瘍の発生率以外に、臨床的にLSとLLSを区別することは困難であるため、それぞれ異なるサーベイランスが必要である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、Lynch症候群および散発性MSI大腸癌と比較し、Lynch-like症候群の臨床的特徴を明らかにした。その結果、Lynch-like症候群の患者はLynch症候群や散発性MSI大腸癌とは異なるサーベイランス方法が必要であることが明らかとなった。 現在、Lynch症候群診断のための遺伝学的検査は保険適用外であるが、Lynch-like症候群とLynch症候群の鑑別は遺伝学的検査によってのみ行われる。したがって、Lynch症候群診断のための遺伝学的検査は診断・サーベイランスの観点から必要であると考えられた。
|