研究課題/領域番号 |
21K07198
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
立田 岳生 東北医科薬科大学, 薬学部, 講師 (70438563)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | リボヌクレアーゼ / アポトーシス / シアル酸結合性レクチン / 抗腫瘍効果 / RNA |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの研究で,Rana catesbeiana 由来のリボヌクレアーゼである cSBL が, がん細胞選択的なアポトーシス誘導効果や他の薬剤と相乗的な抗腫瘍効果を示すこと,すなわち cSBL が優れた抗腫瘍効果を示すことを in vitro および in vivo の 研究で明らかにしてきた.本研究では,これらの知見を基に cSBL のさらなる有効性の検討,既存の薬剤との比較検討ならびに cSBL の抗腫瘍作用機序の解明を試みる. さらに,他の薬剤との併用効果などを通し,抗がん剤としての cSBL の可能性を展開し,リボヌクレアーゼ活性を利用するという新領域のがん治療法の開発を試みる.
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研究成果の概要 |
膀胱がんに対する cSBL の効果の解析を行った結果,cSBL の有効性が認められ,他の薬剤と比較してもがん細胞選択性などの点で有効な知見が得られた.また,cSBL の耐性細胞と親株を比較した網羅的遺伝子解析を介し,がんの悪性度や耐性に関与するABCトランスポーターの発現をcSBL が減少させることや,ドキソルビシンなどの耐性に関与すると報告のある AKR1B10 の発現上昇を cSBL が抑制することなどを見出した.さらに,cSBL が強い c-Jun の活性化を引き起こすことが明らかになり,cSBLの抗腫瘍作用にその活性化が重要な役割を持つ可能性が示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,有効な新規治療薬が望まれている膀胱がんに対する cSBL の有効性が示された.また悪性中皮腫を用いた研究では,cSBL の抗腫瘍作用機序の解明が進んだ他,多剤耐性に関わる分子の発現を cSBL が抑制することが見出された.これは,がんの耐性化や悪性化といった現行のがん治療おける課題を,cSBL を用いることにより克服できる可能性を示すのものである.したがって,既存のがん療法に cSBL を加えることにより新しい選択肢を与える可能性があると考えられる.
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