研究課題/領域番号 |
21K07208
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
種子島 幸祐 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, 主席研究員 (20507678)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 腫瘍免疫 / CXCL14 / CpG DNA / tumor immunity |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍免疫の開始に必要な樹状細胞の活性化にはToll-like receptor 9 (TLR9) のリガンドである非メチル化CpG配列を持つDNA (CpG DNA) が高い効果を持つことが知られている。しかし、現在までの臨床試験の結果では腫瘍免疫の活性化にはさらなる効果の増強が必要であることが示唆されている。これまで、我々はケモカインCXCL14がCpG DNAと複合体を形成し、細胞内取り込みの促進を誘導する候補受容体を複数同定した。本研究ではこれらのCpG DNA受容体の働きの分子メカニズムを明らかとし、腫瘍免疫をより効率よく誘導する原理を解明したい。
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研究実績の概要 |
ケモカインCXCL14は細胞遊走を誘導する一般的なケモカインの機能とは別に、細菌などのDNAに多く存在する非メチル化CpG DNAと高親和性の複合体を形成し、その取り込み増強を介してTlr9活性を大幅に増強して自然免疫経路を活性化する。本年度は、これらの活性が黄色ブドウ球菌免疫に関連することをまとめた論文を発表した (Tsujihana et al (2022) PNAS 119:e2116027119)。これらのCpG DNA活性を制御する促進性受容体と抑制性受容体を単離して研究を進めてきたが、抑制性受容体のKOマウスのマクロファージでは、CpG DNAおよびCpG DNA/CXCL14の取り込みが低下しており、それにもかかわらずCpG DNAへの反応性は上昇していた。一方、促進性受容体はIg superfamilyに属する膜タンパク質に着目して研究を行っている。3種類のIg superfamily遺伝子の発現ベクターの導入により、HEK293T 細胞における CpG DNA-CXCL14 複合体のクラスリン依存性エンドサイトーシスが大幅に増加し、それぞれが実際に取り込み受容体として機能することが明らかとなった。また、膜表面のIg superfamily分子を特異的に蛍光染色する手法を確立し、CpG DNAとIg superfamily分子のtraffickingについて細胞生物学的に解析した。CpG DNAに結合する2つのIg superfamily 分子は、自発的に高い割合で内在化されており、CpG DNA とエンドソーム小胞で特異的に共存していることが明らかとなった。これらの結果は、複数の Igsf タンパク質が CpG DNA-CXCL14 複合体の取り込みに寄与していることを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究により、促進性受容体Ig superfamilyのCpG DNA細胞内送達の機構が明らかとなった。また、抑制性受容体の主に作用する細胞がマクロファージであることがわかった。これらの研究により、目標としているCpG DNAによる抗腫瘍効果の制御についての分子メカニズムが明らかとなってきている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、受容体活性を持つIg superfamilyのノックアウトマウスにCpG DNAを投与し、解析している。また、抑制性受容体のKOマウスに移植した腫瘍の遺伝子発現を調べることで、抑制性受容体の抗腫瘍効果の分子メカニズムを解明する予定である。
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