研究課題/領域番号 |
21K07218
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
坂下 暁介 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (00397457)
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研究分担者 |
浦野 健 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (70293701)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 急性骨髄性白血病 / エクソンスキップ療法 / エクソンスキップ |
研究開始時の研究の概要 |
急性骨髄性白血病(AML)の約3割において、NPM1遺伝子のExon12に変異が認められる。最近、遺伝子編集技術を用いてExon12の変異を野生型に戻した白血病細胞が、細胞死を起こすことがわかり、NPM1遺伝子に変異を持つAML細胞の生存が、変異型NPM1に依存することが示唆された。この性質を利用したいくつかの治療法が考えられる中、本研究ではNPM1の選択的スプライシングに介入しExon12の使用を阻害することにより、AML細胞における変異型NPM1を、スプライシングバリアントであるNPM1.3へとシフトさせる方法に着目し、本法の治療応用に向けた分子基盤を構築することを目的とするものである。
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研究成果の概要 |
NPM1のExon7-12(約11kb)から構成されるmini gene ベクターを構築した。mini gene由来および内在性のNPM1.1とNPM1.3を個別に検出可能なプライマーセットを設計し、定量する実験系を確立した。スプライシングにおいてExon10の取り込みを抑制する領域を同定した。この領域に対するアンチセンスモルフォリノオリゴを導入すると、NPM1.3の発現が上昇したが、NPM1.1の発現は低下しなかった。次に、intron10を標的としたアンチセンスオリゴヌクレオチドを用い、NPM1.1型スプライシングを物理的に阻害できるか検討した。しかしこれまでのところ切断には至っていない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、NPM1.1遺伝子に変異を有するタイプの急性骨髄性白血病(AML)を対象とした、新たな治療法の開発につながるものである。このタイプのAML細胞の生存は、変異型NPMタンパク質の細胞質への局在に依存するとの知見から、核外輸送タンパク質の阻害剤を治療に用いる方法が試みられている。一方で本研究は、変異型NPM1.1のスプライシングに介入し、内在性NPM1.3に置換する試みである。核外輸送タンパク質阻害剤は、多くのタンパク質の細胞内局在に影響を与える上、低分子化合物によくみられる薬剤耐性の問題を伴う。一方、本研究の方法はNPMのみが標的となり、これらの問題を回避できると期待される。
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