研究課題/領域番号 |
21K07230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
須堯 綾 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部, 主任技術員 (00415415)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 骨転移 / Wntシグナルパスウェイ / 造骨 / 造骨性骨転移 |
研究開始時の研究の概要 |
骨転移は、前立腺がん等に多い造骨型と乳がん等に多い溶骨型に大別される。溶骨型骨転移モデルは確立し、発生分子メカニズムの解明と治療法の開発が進み、画像診断も容易であるが、造骨型骨転移の発生分子メカニズムは不明な点が多く、画像診断法・治療法の開発は進んでいない。我々が着目したWntシグナルパスウェイは、がんの発生等に関与し、骨吸収と骨形成への関与が報告されているが、骨転移への関与のエビデンスは存在しない。造骨型の分子メカニズムを解明し、Wntシグナルパスウェイの促進または阻害による骨転移発生パターンを高精細CTイメージングで解析し、造骨型骨転移モデルの樹立と、画像診断法・治療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
溶骨型骨転移モデルはすでに確立されており、発生メカニズムの解明と治療法の開発が進んでいるが、造骨型骨転移のモデルはなく、その発生メカニズムも不明である。Wntシグナルパスウェイは、癌の発生などに関与し、骨形成や骨吸収への関与が報告されているが、骨転移への関与のエビデンスは存在しない。我々は造骨型の分子メカニズムを解明し、Wntシグナルパスウェイの促進または阻害による骨転移発生パターンを高精細CTイメージングで解析し、造骨型骨転移モデルの樹立と、画像診断法・治療法の開発を目指す。 前年度までにWntファミリーメンバーのなかで、骨代謝に関連する可能性が高いWnt1、Wnt3a及びWnt5aの過剰発現ベクターを構築した。この発現ベクターを、我々が樹立した乳がん由来の溶骨型骨転移モデル5a-D-Luc-ZsGreen細胞に導入し、安定発現株を各8クローンずつ作成した。リアルタイムRT-PCRで発現レベルを確認し、Wnt高発現株を選択した。 今年度は樹立したWnt1、Wnt3a及びWnt5aの高発現株とコントロールとして5a-D-Luc-ZsGreen細胞をメスのヌードマウスの左心室に心腔内移植し、骨転移動物モデルを作成した。IVISを用いたルシフェラーゼによる発光イメージングで、骨転移の経過を確認した。骨転移が見られた個体を小動物用マイクロCTで造骨性骨転移の有無を確認し、Wnt1高発現細胞を移植した個体に造骨が確認された。骨転移が確認された大腿骨と脛骨はサンプリングしHE染色を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Wnt高発現細胞株をマウスに移植し、WntファミリーのうちWnt1で造骨性を示す骨転移モデルを作成することに成功したため、当初の予定通り順調に進行していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
Wnt1による造骨性を示す動物モデルを作成することができたが、転移による体重の減少が確認できた40日前後をエンドポイントとしていた。しかし、元の細胞が溶骨性のため、転移が進行すると、Wnt1の造骨能より、溶骨が上回るため、コントロール細胞と、Wnt1高発現株を移植し28日をエンドポイントとして2回目の実験を行う予定である。
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