研究課題/領域番号 |
21K07236
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
梶田 美穂子 立命館大学, 生命科学部, 助教 (00607442)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 乳がん / 組織常在性マクロファージ / オルガノイド / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
がん免疫療法は目覚ましい成果を挙げている一方、そのターゲットはすでに多数の変異が蓄積した悪性腫瘍であり、高額な医療費や患者の精神的・身体的負担などが問題となっている。一方、早期がんの治療やがん予防に繋がるような、がん免疫の始動に関わる免疫細胞等はわかっていない。本研究ではがん免疫を始動する細胞として組織常在性マクロファージに着目し,組織常在性マクロファージによる初期がん感知・貪食システムを強化し、がんが病変を形成する前に治療(予防)することを目指す。
|
研究成果の概要 |
悪性腫瘍が免疫系から逃れる機構については多数の報告がある一方、がん免疫がどのように始動するのかほとんどわかっていなかった。研究代表者はがん免疫を始動する細胞として組織常在性マクロファージに着目し、その役割を解析するため乳腺オルガノイドを用いた新しいモデルシステムを構築した。このシステムを用いて解析した結果、組織常在性マクロファージが発がん初期段階に出現するようながん原性変異細胞を認識し、貪食することが明らかになった。さらにそのメカニズムとして、Eat meシグナルであるPhosphatidylserineの関与が示唆された。本研究の成果により、がん免疫始動システムの一端が明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、これまで不明であった発がんのごく初期段階における免疫反応を可視化して解析することにより、組織常在性マクロファージが、がん免疫の始動を担う細胞であり得るだけでなく、その変異細胞認識メカニズムを示唆する結果も得られた。臨床においては、がんの早期治療がその後の患者の生存率に大きく影響している。本研究を通じて、発がんの初期段階に起こる現象が明らかになり、学術的に重要であるだけでなく、がんの早期治療を可能にするようなマーカーの創出や、腫瘍を形成する前の「前がん細胞」の段階で排除するような新しいがん治療・がん予防に繋がることが期待でき、社会的にも非常に重要であると言える。
|