研究課題/領域番号 |
21K07261
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
楠本 郁恵 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (80724757)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 食欲 / ストレス / 神経細胞 / 視床下部 / 刺激による細胞分別 / 摂食 |
研究開始時の研究の概要 |
私たち誰もが持つ「食べたい」という欲望は、脳の中の神経回路によって形成されると考えられるが、その具体的な神経回路やメカニズムについては、まだ理解が乏しい。本研究では、これまでの研究で、摂食行動の調節に関与していることが示されている視床下部に着目し、遺伝子改変技術を応用することで、マウスが摂食に関連した行動を行っている瞬間に活動していた神経細胞を標的とすることで、視床下部-大脳皮質神経回路が果たす食欲調節における機能を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、摂食行動に強く関連することが多くの先行研究で示唆されてきた視床下部のニューロンについて、遺伝子改変動物やウイルスベクターを活用することで、動物が摂食関連行動を起こしている瞬間に活動していたニューロンを研究のターゲットにすることで、それらの機能的な役割を明らかにすることを目標としている。これまでに、視床下部を活性化させることが知られている摂食関連行動と、摂食関連行動以外の2種類のイベントで、活性化されたニューロンを同一個体内で観察し、特に、オレキシンニューロンについて、各刺激で活性化されたニューロンの一部を除いて、異なる集団のニューロンが活性化する可能性を見出していた。2年目である本年度は、オレキシンニューロンと重なって同じ領域に存在するその他のニューロン、オレキシンニューロンの位置とは重ならないものの、摂食関連行動で活性化すると考えられるその他の視床下部ニューロンの可視化と摂食関連行動時の活性化について観察を行なうとともに、神経活動依存的に細胞をタギングする際に用いる一連の遺伝子改変動物について、安定して動物個体を実験にしようするためのシステムを整えた。オレキシンニューロン以外の神経細胞としては、メラニン凝集ホルモン(MCH)ニューロン、アグーチ関連ペプチド(AgRP)ニューロン、プロオピオメラノコルチン(POMC)ニューロンなどの観察を進めており、今後、行動実験と同時に観察例数を積み重ねていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究では、視床下部のオレキシンニューロンのみにしか焦点を当てることができなかった状況を、複数のマーカーを使用することにより、行動実験で観察される現象について、より俯瞰的に解釈できるようになったため。
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今後の研究の推進方策 |
摂食関連行動時に活性化された視床下部ニューロンと、摂食以外のイベント時に活性化された視床下部ニューロンを、それぞれ活性化させたときの動物の行動観察をさらに進める予定である。そして、摂食関連行動時に活性化される視床下部ニューロン群と摂食以外のイベント時に活性化された視床下部ニューロン群について、機能的な違いを、組織学的なデータからも考察したい。
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