研究課題/領域番号 |
21K07332
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 第一薬科大学 |
研究代表者 |
香川 正太 第一薬科大学, 薬学部, 准教授 (30463201)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 八味地黄丸 / 肥満 / 代謝 / レプチン / 脂肪 / Ucp1 / インスリン抵抗性 / 脂肪分解 / 脂肪肝 / ドラッグリポジショニング |
研究開始時の研究の概要 |
肥満は種々の代謝性疾患の基本病態となるため、予防および治療法の開発は急務である。八味地黄丸(HJG)は「冷え」に対して効果を発揮することで臨床利用される漢方薬である。本研究では、HJGの熱産生作用とともに褐色脂肪および白色脂肪でのエネルギー代謝亢進作用に焦点を当て、肥満および糖・脂質代謝異常に対するHJGのドラッグリポジショニング確立を目的とし、C57BL/6JマウスでのHJGによる熱産生調節機序およびエネルギー代謝亢進機序を解明する。さらに食事性肥満モデルおよび遺伝性肥満モデルでの体重増加抑制とともに糖・脂質代謝改善作用を解明し肥満症治療薬としての前臨床エビデンスを創出する。
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研究成果の概要 |
八味地黄丸(HJG)の抗肥満作用および肥満によって誘導される代謝性疾患の抑制作用について検討を行った。その結果、HJGの投与は高脂肪食(HFD)摂餌によって誘導された体重増加、脂肪肝およびインスリン抵抗性の発症を有意に抑制した。加えて、HFD摂餌で惹起された高レプチン血症を抑制したことから、HJGの抗肥満作用の機序として、レプチン抵抗性の改善が示唆された。また、HJGメタノール抽出物のn-ブタノール分画は、β3アドレナリン受容体刺激下で3T3L1脂肪細胞の脱共役タンパク質(Ucp)1の遺伝子発現を亢進させたことから、HJGの作用は白色脂肪細胞に直接的に作用する可能性も示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、HJGの元来持つ代謝亢進作用から派生する抗肥満作用を証明できたことは、HJGの肥満症治療薬としての基礎研究の基盤を確固たるものにすることができた点で、学術的意義は大きいと思われる。加えて、「ドラッグリポジショニング」の観点から、HJGが、未だ普及が不十分である肥満症治療薬の1つの候補として、臨床利用にシフトできるポテンシャルを証明できたことは、今後も増加するであろう肥満症患者の抑止に大きく貢献できる意味で、本研究の社会的意義も大きいと考えられる。
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