研究課題/領域番号 |
21K07343
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
安宅 弘司 神戸薬科大学, 薬学部, 特任助教 (30563358)
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研究分担者 |
富原 一哉 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (00272146)
浅川 明弘 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10452947)
岩井 治樹 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (30452949)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | いじめ / 摂食関連ペプチド / 攻撃性惹起 / いじめ被害者 / いじめ加害者 / うつ / 情動行動 / 攻撃性 / 摂食障害 / 脳・骨髄相関 / 心身症 / 幼少期ストレス / 思春期ストレス / いじめ関連ペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
不安、認知のゆがみ、摂食障害など思春期で発症しやすい心の病については解明されていなことが多く、適切な治療戦略はまだ見つかっていません。脳内にある摂食調節ペプチドは摂食行動だけでなく情動行動にも影響を与えること、また骨髄から血行性に脳内に浸潤する骨髄由来細胞が情動行動に影響を与える新しい因子として見出されました。そこで本研究は、これら2つの因子の関係を新たな切り口とすることで、心の病の発症機構を探求しようとするものです。本研究では、心の病に密接に関係していると考えられている幼少期と思春期の心理的ストレスを動物モデルで再現したツーヒットモデルマウスを使って研究を進めていきます。
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研究成果の概要 |
いじめを受けたマウスは、攻撃マウスに対する耐性群と脆弱性群に分けることができ、両群間で摂食量に有意な差が認められた。両群とも、うつ様行動と社会性行動に変容が認められた。視床下部の摂食関連ペプチドの発現において、耐性群では5因子が、脆弱群では4因子が有意に変化していた。攻撃性マウスにおいては、摂食量が変化し、うつ様行動と不安様行動が認められた。視床下部の摂食関連ペプチドの発現において、6因子が変化し、それらのアゴニストまたはアンタゴニストを脳室内投与することで、攻撃性惹起、うつ様行動、不安様行動が改善できた。心理ストレス負荷マウスで、摂食量変化、不安様行動、骨髄由来細胞変化が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、攻撃性マウスにおいて、視床下部の摂食関連ペプチドと攻撃性、不安、うつとは関連しており、摂食関連ペプチド受容体拮抗薬または作用薬でこれらの心身症状を改善できることが示唆できた。いじめや通り魔などの暴力行為について摂食関連ペプチドを標的とした治療戦略を構築できる可能性がある。いじめを受けるマウスにおいては、脆弱性を示す場合にのみ摂食量が変化し、脆弱性群、耐性群の両方で、うつ様行動、摂食関連ペプチドの変容が認められた。さらなる研究が必要ではあるが、いじめによる心身症と摂食関連ペプチドには関連性があり、攻撃性と同様に、摂食関連ペプチドを標的とした治療戦略を提案できる可能性がある。
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