研究課題/領域番号 |
21K07376
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
伊藤 直樹 北里大学, 薬学部, 講師 (00370164)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 漢方薬 / 香蘇散 / 脳内炎症 / うつ / ミクログリア / Microglia / うつ予防 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、ストレスモデル並びに擬似感染症モデル動物を用いて、漢方薬投与およびIL-4/10投与による抗炎症型microgliaの増強がうつ様行動の予防に効果的かどうかについて検討する。この取り組みの成果は、抗炎症型microgliaの増強をターゲットにしたうつ病の新たな治療・予防戦略の提唱に役立つことが期待できる。
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研究成果の概要 |
近年、ストレスや老化に加え、感染症罹患が精神疾患の発症や増悪に深く関わることが臨床上問題になっている。本研究課題で我々は、単独飼育ストレス負荷老化促進モデルマウス並びにLPS誘発擬似感染症モデルマウスを用いて、ノビレチン高含有陳皮配合香蘇散の事前反復投与がうつ様行動の発症を抑制し、その作用メカニズムに脳海馬領域の抗炎症型ミクログリアの増強を介した脳内炎症の抑制が関与することを明らかにした。これらの成果は、抗炎症型ミクログリアの増強がストレスや加齢、感染症に伴ううつ発症の予防に有効である可能性を示しており、今後うつ発症予防に向けた分子メカニズムの解明に関する研究に役立てられることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
うつ病などの精神疾患の罹患率は年々増加の一途を辿っており、その克服は急務の課題となっている。最近ではコロナ後遺症の一つにうつも含まれるなど、感染症もストレスや老化と同様にうつ病のリスクファクター認識されつつある。本研究では、ストレスや老化、感染症に伴ううつに対して、漢方薬の事前投与がその発症を防ぐ可能性を複数のモデルマウスで示し、そのメカニズムの一つに抗炎症型ミクログリアの増強による脳内炎症の抑制が関与することを明らかにした。この成果は、漢方薬を利用することによってうつの予防が可能であることを示唆しているのみならず、うつ予防戦略における新たなターゲット分子の解明に繋がることが期待される。
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