研究課題/領域番号 |
21K07392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
中島 融一 宮崎大学, 医学部, 准教授 (80372796)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 細胞老化 / 個体老化 / チミジンホスホリラーゼ / 健康寿命 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化問題は世界の先進諸国で社会問題となっている。近年、加齢により組織に蓄積した老化細胞の除去は個体の老化スピードを緩和し健康寿命を延ばすとの報告があり、細胞老化と個体老化との関連性が示唆された。 チミジンホスホリラーゼ(TP)は核酸代謝に関与し、その代謝産物として2-デオキシ-D-リボース(D-dRib)を生成する。作成したTPノックアウトマウスは、野生型マウスと比較し加齢による外貌の変化や行動性に明らかな老化スピードの遅延が観察された。 このTPと老化に関連する報告はこれまで無く、TP/D-dRibによる細胞老化および個体老化における新たな制御機構の解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は細胞老化に対するチミジンホスホリラーゼ(TP)の影響を明らかとし、個体老化にも関連する新規の老化因子としての知見を得た。 TPノックアウトマウスは、野生型マウスと比較して寿命が延長し、老齢期の外貌や行動性等の老齢性変化にも差異が認められた。これらの現象は、臓器の老化因子の減少および加齢に伴う慢性炎症「inflammaging」の軽減が原因の一つと考えられた。細胞レベルにおいても、老化誘導した細胞はTPの発現量が増加し、老化細胞の特徴的な表現型である細胞老化随伴分泌現象を示す炎症性因子の制御に関連している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦のみならず世界の先進国で高齢化は社会的な問題となっている。「老化と寿命」に関する学術研究が国内外で加速的に進展している。このように高い注目を集めている老化研究の中、TPを老化因子として見出したことは、老化研究に関して新たな基礎研究の推進に寄与することとなる。 現在、いくつかの老化細胞除去剤や老化治療薬の候補が見いだされてきた。本研究により見出したTPの老化制御メカニズムがより深く理解されることにより、臨床研究へとつながる可能性が高く、新たな老化治療薬開発の一助を担うことが期待できる。
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