研究課題/領域番号 |
21K07395
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
大西 俊一郎 国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (60894805)
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研究分担者 |
竹本 稔 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (60447307)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マイオカイン / NASH / NAFLD / 動脈硬化 / 脂肪肝 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は我々が同定した骨格筋衛生細胞から分泌される因子 R3hdmlの脂肪肝・脂肪肝炎や動脈硬化に対する効果を検証することである。近年、骨格筋から分泌される因子はマイオカインと称され、全身の代謝に影響を及ぼすことが明らかになっている。R3hdmlは骨格筋の発達時や再生時に発現が増加し、筋衛星細胞の分化・増殖を促す因子として我々が同定した。さらに、R3hdmlの欠損により肝臓における脂質代謝に異常をきたすこと発見した。本研究を通じて脂質代謝関連疾患である、脂肪肝・脂肪肝炎や動脈硬化に対するR3hdmlの新たな機能を明らかにし、R3hdmlを用いた脂肪肝・脂肪肝炎や動脈硬化の治療法開発へとつなげる基盤研究としたい。
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研究成果の概要 |
本研究では、骨格筋由来の分泌因子R3hdmlが、NAFLDに果たす役割を検証した。R3hdmlノックアウトマウスを用いた実験で、R3hdml欠損が脂肪肝を悪化させ、そのメカニズムとして、R3hdmlがPIP3によるAKTシグナル伝達を促進し、METによるPTK2シグナル伝達を抑制することが示唆された。さらに、血中R3hdml抗体濃度が肝線維化マーカーであるFib-4指数と正の相関関係にあることが明らかになった。加えて、抗体スクリーニングにより、NASH関連因子としてPEPCK抗体を同定した。糖尿病患者においては、PEPCK抗体濃度が予後と関連していることも明らかし報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生活習慣の欧米化に伴い、虚血性心疾患などの動脈硬化性疾患の罹患率は増え続けており、常に我が国の死因の上位を占めている。動脈硬化は血管壁における慢性炎症に伴い、脂質の異常蓄積によって生じる。さらに脂質の肝臓への蓄積する病態に、非アルコール性脂肪肝があり、時に炎症(非アルコール性脂肪性肝炎(NASH))が慢性化し、肝硬変、肝がんを生じる。脂肪肝からNASHまでを含む一連の肝疾患(NAFLD)の罹患者は1,000万人以上であると推定されており、動脈硬化とともに、その予防法や治療法の開発は喫緊の課題である。R3hdmlとNASHとの関連を明らかにすることで、新たな治療戦略開発につながる可能性がある。
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