研究課題/領域番号 |
21K07401
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
廣野 玄 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (80386268)
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研究分担者 |
大越 章吾 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (70231199)
長谷川 勝彦 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (60328870)
河野 正己 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (20170201)
石川 博 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (30089784)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 非アルコール性脂肪肝炎 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 睡眠時無呼吸 / 間欠的低酸素血症 / 持続陽圧呼吸療法 / 睡眠時無呼吸症候群 / 低酸素血症 / NASH / 肝線維化 / 脂肪肝 |
研究開始時の研究の概要 |
OSAは肥満と密接な関係を有する頻度の高い疾患であり、無呼吸による夜間CIHの状態を病態の本質とする。同様に、肥満と密接に関係するNASHは肝硬変や肝癌の原因として重要である。 申請者らは先行研究(H28年基盤研究C No.16K09564)において、夜間CIHがNAFLD発症の一因であり、CPAPによってNAFLDからNASHへの進展を予防する効果があることを見いだした。このことから、本研究では先行研究を更に発展させ、夜間CIHの長期的な改善がNASHを改善しうるか、また、それを評価する最も効果的な肝線維化マーカーは何か、を明らかにする。さらに、その線維化改善機序を動物実験を用いて解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を合併した閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)患者において、OSAに有効な持続陽圧呼吸療法(CPAP)による慢性間欠的低酸素血症(CIH)の改善がNAFLDから非アルコール性脂肪肝炎(NASH)への肝線維化進展の予防ないし治療法として提案できるか否かを検証することである。この研究では、CIHモデルマウスを用い、CIHによるNAFLDの肝線維化の進展機序を解明し、CIHの改善がNAFLD/NASHへ及ぼす影響を動物実験にて検証する。令和3年にマウス用CIH装置・チャンバーを購入し、その後、C57BL/6Jマウス8週齢オスを定期的に購入、飼育した。マウスはコントロール群(通常の飼料)とNASH群(高カロリー飼料)に分けてそれぞれ20週間飼育し、その後サクリファイスを行い、それぞれの血清、肝臓組織(病理組織およびRNA)を採取した。20週間飼育したNASH群のマウスの肝臓組織では、組織学的に著明な脂肪肝が確認された。 令和4年度からは、20週間飼育したコントロール群とNASH群のマウスを、それぞれさらにCIHチャンバーに入れて飼育する群(CIH群)と、今までと同様に通常空気環境下で飼育する群(非CIH群)とに分けて追加で4週間飼育した。その後サクリファイスを行い、それぞれ血清、肝臓組織(病理組織およびRNA)を採取した。NASH+CIH群のマウスでは、肝臓組織は線維化を伴ったNASH像が確認された。血清から得られたデータについては現在統計学的に検討中である。さらに、血清を用いて今後ELISAによって肝線維化マーカーであるサイトケラチン18フラグメントを測定する予定である。また、それぞれの肝臓RNAをRT-PCRし、特にCIH群において低酸素誘導因子Hif-1(Hypoxia inducible factor-1)を確認中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 マウス用CIH装置・チャンバーを購入し、約1年かけてマウスを飼育してきた。マウスは、①コントロール+非CIH群、②コントロール+CIH群、③NASH+非CIH群、④NASH+CIH群の4群にわけてtotal 24週間飼育し、数量的にそれぞれのデータから統計学的有意差が得られるほどとなった。現在は統計学的な検討を進めているとともに、肝臓RNAをRT-PCRするほどにまで研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後については、まず①~④(【現在までの進捗状況】に記載)のそれぞれの群における肝酵素、血糖、インスリン抵抗性などの一般的なデータから統計学的検討を進めていく。さらにELISAを用いて血清のサイトケラチン18フラグメントを測定し、4群間の肝線維化の程度を比較検討する。さらに、今後は非CIH群とCIH群のマウスにおいて、マイクロアレイを用いて2群間の網羅的な遺伝子発現の比較を解析する予定である。
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