研究課題/領域番号 |
21K07402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
丸山 和佳子 愛知学院大学, 健康科学部, 教授 (20333396)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | パーキンソン病 / 口腔炎症 / 酸化ストレス / ミエロペルオキシダーゼ / 口腔内炎症 / 構造異常アルファシヌクレイン / 脂質過酸化 / アルファシヌクレイン |
研究開始時の研究の概要 |
消化管に分布する自律神経終末で生成された構造異常alpha-synuclein (Syn)が逆行性に中枢神経に伝播し、パーキンソン病を惹起する可能性がある。口腔は消化管の中で最も吻側に位置する。唾液腺に分布する迷走神経にSynの蓄積が認められること、唾液中にSynが存在することが報告され、口腔病変がパーキンソン病発症に先行する可能性が示唆されている。本研究課題では、「パーキンソン病患者では腸管内慢性炎症が酸化ストレスを増加させ、その結果生成された毒性をもつ Syn が中枢神経に逆行性輸送されることでパーキンソン病を発症させる 」との仮説を検証する。
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研究成果の概要 |
近年、パーキンソン病(PD)の病因としてBraak仮説が脚光を浴びている。 本研究課題では、「PD患者では腸管内慢性炎症が酸化ストレスを増加させ、その結果疾患発症リスクを増大させる 」との仮説に基づき、口腔内炎症のPD発症への関与について検討した。口腔炎症のマーカーであり、酸化ストレスを惹起する唾液中myeloperoxidase(MPO)の活性はPD患者では正常対照と比較して有意に増加していた。唾液中には熱感受性をもつMPO活性抑制因子が内在し、PDにおける口腔内炎症の亢進は、細菌叢の変化ではなく、内因性のMPO活性制御因子による可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題では、パーキンソン病 (PD)における口腔炎症の役割を明らかとするため研究を行った。口腔炎症を客観的定量的に評価するバイオマーカーは未だ確立していないが、活性化好中球から分泌される酵素であるmyeloperoxidase (MPO)活性が歯周病の早期像である歯肉炎患者の唾液で有意に増加し、病勢の進行と共に低下することを見出した。MPOは早期口腔炎症の生化学的マーカーとして有用である可能性がある。MPOはPD唾液で増加しており、クロロラジカルを生成を介して酸化ストレスによる組織傷害を起こす。MPO活性の制御機構について今後の研究が必要である。
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