研究課題/領域番号 |
21K07410
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
冨山 誠彦 弘前大学, 医学研究科, 教授 (40311542)
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研究分担者 |
中村 崇志 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (00880014)
山田 順子 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (30334965)
森 文秋 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (60200383)
西嶌 春生 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (90858177)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | GABA / 直接路線条体神経細胞 / 関節路線状体神経細胞 / 遅発性ジスキネジア / 線条体神経細胞 / 直接路神経細胞 / パーキンソニズム / ダイノルフィン / エンケファリン / 淡蒼球内節 / 淡蒼球外節 / tardive dyskinesia / spiny projection neuron / dendritic spine |
研究開始時の研究の概要 |
遅発性ジスキネジア(Tardive dyskinesia; TD)は抗精神病薬に伴う口周囲主体の不随意運動であるが,難治であり確実な治療法は存在しない.線条体投射神経細胞の異常可塑性がTDの発症に関与していることが推定されてきた.しかし,線条体投射神経細胞は2種類存在し,どちらの神経細胞がTD発現に関わっているのかわかっていない.本研究では,2種類の線条体投射神経細胞を弁別し,TDに伴う可塑的異常がどちらの線条体投射神経細胞に見られるかを,電気生理学的及び形態学的手法で明らかにする.
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研究実績の概要 |
線条体投射神経細胞には、それぞれ淡蒼球内節と外節に投射する直接路神経細胞と関節路神経細胞の2種類が存在する。従来、ドパミンD2受容体遮断薬の長期使用で生じる遅発性ジスキネジアの発現にはドパミンD2受容体の過敏性獲得による関節路神経細胞の機能低下が重要な役割を果たしていると考えられてきた。しかしながら、L-ドパの長期投与を受けたパーキンソン病患者にみられるL-ドパ誘発ジスキネジアは、関節路ではなく直接路神経細胞の機能亢進が原因であることがわかってきた。また、私どもの昨年度までの研究により、直接路神経細胞にGABAと共存しているダイノルフィンが遅発性ジスキネジアモデルラットの線条体で増加していることを明らかにしてきた。そこで、本研究は直接路あるいは関節路神経細胞のどちらが(あるいはいずれもが)遅発性ジスキネジア発現に重要なのかを明らかにする目的で、遅発性ジスキネジアモデルラットを長期作用型のハロペリドールを用いて作成し、それぞれの線条体投射神経細胞の神経終末を、淡蒼球内節(直接路の投射先)と淡蒼球外節(関節路の投射先)で電顕および免疫電顕により検討した。遅発性ジスキネジアモデルでは、淡蒼球内節でGABA作動性神経細胞の神経終末(ほとんどが直接路神経細胞の神経終末)が肥大しており、一方で淡蒼球外節ではGABA作動性神経細胞の神経終末には肥大は見られなかった。以上から、直接路神経細胞から淡蒼球内節へのGABA遊離の過剰が遅発性ジスキネジアの発現に重要な役割を果たしていることが推定される。
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